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(健康づくりWEBかわら版2023年6月号) 『月経前症候群:PMS』について

2023年06月01日

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2023年6月号より
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雨ニモマケズ!PMSニモマケズ!

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女性の方には、なじみのある月経前症候群 (premenstrual syndr
ome :PMS)。天候の変化もPMSの症状に関係しているといわ
れており、梅雨入りするこれからの時期は普段より不調を強く感
じる方もいらっしゃるかもしれません。
症状が起きる、悪化する、その前に今一度PMSについての理解
を深め、しっかり対策をしましょう!

そこで今回は『月経前症候群:PMS』に関するお話です。
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★ PMSとは ★
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月経前3 ~10日間の黄体期に生じる精神的・身体的症状で月経の
発来とともに減弱あるいは消失するものと定義されています。1)

精神的症状…イライラ感、怒りやすい、無気力、集中力低下

身体的症状…腹部膨満感、肩こり、頭痛、むくみ、体重増加、
      便秘、乳房緊満感

月経が始まる年齢は12歳、終わりは50歳が平均ですので、約38年
間、月経と付き合っていくことになります。そして、妊娠・授乳
中は月経が止まることが多いため、子どもを多く産んでいると月
経の回数が少なくなります。ですが、現代女性は月経の始まりが
早まったものの、結婚や初産年齢は遅くなり、出産回数が大幅に
減少しています。その結果、現在女性の一生の月経回数は約450
回と推定されており、昔の9~10倍ともいわれています。

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★ PMSの原因 ★
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特に女性ホルモンの変動が大きく関わっていると考えられていま
す。
月経は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類の女性
ホルモンの作用によってコントロールされており、月経周期の間
にホルモンの分泌量も変動します。
個人差はありますが、女性は月経開始から閉経するまで、この女
性ホルモンの揺らぎ(波)からくる症状を毎月感じながら過ごし
ているということです。
しかし、ホルモンはストレスなどの影響も受けるため、PMSは
女性ホルモンだけでなく、その他の多くの要因から起こるといわ
れています。

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★ PMSの対策 ★
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1.記録をつける
いつ、どのような症状が出るのか記録し、自分に起こる症状を事
前に把握しておくことで対処がしやすくなります。
PMSの症状と付き合うために、自分の傾向を知って、自分なり
の対策を考えてみましょう。

2.薬の服用
日常生活にも支障が出るほど症状が重い場合は、医療機関への受診
を検討しましょう。

PMSの治療薬には、 一時的に排卵を止め、女性ホルモンの変動
を抑える低用量ピルや、漢方などがあります。

最近では、婦人科専門の病院もあり、女性医師の在籍や夜間診療の
対応など、相談しやすい環境も広がっています。症状がつらい時に
は、無理せず受診して相談をしてみてください。

月経痛やPMSは決して恥ずかしいことではありません。こんなこ
とで…と我慢せず、小さなことでも相談し、本当につらい時は休む
ようにしましょう。

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★ PMSの原因となるストレス対策 ★
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PMSの原因の1つにも考えられている「ストレス」。そのスト
レスを軽減するためのヒントをお伝えします。
日々お忙しい毎日かと思いますが、取り組みやすいことから始め
てはいかがでしょうか。

1.食事

・積極的に摂りたいもの
 これらはイライラや情緒不安定を和らげるといわれています。

 ビタミンB6…牛肉、豚肉、鶏のレバー、マグロの赤身、
        きなこ、ナッツ類

 カルシウム…チーズ、干しエビ、ししゃも、しらす、大根、
       小松菜、ナッツ類

 マグネシウム…豆類、ナッツ類、海藻類

 温かい飲み物…ホットミルク、ココア、ハーブティー
        ※カフェインを含まないもの

・控えたいもの

 スナック菓子など、脂質・糖分・塩分の多いもの

 カフェインを含むもの(コーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンク)

 お酒、たばこ

2.運動
 ストレッチ、マッサージ、半身浴などで体を温め、代謝や血流
 を良くしておくことも大切です。リフレッシュも期待できます。

3.睡眠
 深い睡眠をとり、体のリズムが整うよう、入眠時の環境を工夫
 しましょう。
・アロマテラピーや、リラックスできる音楽を聴く。
・就寝前30分はスマホやテレビを見ないようにする。
・毎日同じ時間に寝る。

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★ 最後に・・・ ★
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PMSは女性だけの問題ではありません。仕事や家事が滞ったり、
コミュニケーションがうまく取れず、家族や同僚と衝突すること
も増えてしまいます。そして、できないことを自分のせいにして
しまい、更に悪循環が続きます。
一生の月経回数が大幅に増えている昨今、より多くの方の理解が
求められています。全てを理解することはできなくても理解しよ
うと思うことが大切です!PMSの症状が起きていることを当た
り前に周りに伝えられ、当たり前に配慮ができる環境をつくって
いきたいですね!
                          以上

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