健保からのお知らせ

2019/9/2

(健康づくりWEBかわら版2019年9月号) 認知症について

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2019年9月号より
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 チョーーー!高齢JAPAN! ~認知症予防で幸齢に~

 

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ここ最近、高齢者ドライバーによる交通事故のニュースも相次ぐ
ようになってきましたが、2019年8月に厚生労働省が発表した
2018年の日本人の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳で
男女ともに過去最高を更新しました。
厚生労働省が2015年に発表した認知症施策推進総合戦略(新オレ
ンジプラン)によると日本の認知症患者数は2012年時点で約462万
人、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症と推計されていま
す。
さらに、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数
は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める
と見込まれています。
つまり、認知症は加齢とともに誰にでも起こり得る身近な病気と
考えてもいいのかもしれません。
そこで今回は『認知症』に関するお話です。

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★ 認知症のタイプ ★
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認知症は大きく分けて次の4つに分けられます。

【アルツハイマー型認知症】
認知症の約70%を占め、アミロイドβたんぱくという物質が脳内
に蓄積することで起こります。神経細胞が死滅することによる海
馬の委縮から記憶障害が起こり、その後さまざまな症状が現れて
きます。

症状1.記憶障害/最近の出来事から忘れていく
症状2.実行機能障害/計画や順序だった行動は困難になる
症状3.見当識障害/時間や場所、自分自身や周囲をきちんと
    認識できない
症状4.失語/上手く喋ることができず、相手の言葉も理解でき
ない
症状5.失認/目の前のものが何であるかを認識できない
症状6.運動機能障害/日常生活に必要な動きができなくなる

【脳血管性認知症】
脳卒中に伴って起こり、突然発症したり、急激に悪化したりしま
す。

症状1.マダラな症状/もの忘れはあっても判断力や理解力が
低下していないなど
症状2.意欲の変化/意欲の変動が大きい
症状3.感情のコントロール/感情の起伏が大きくなる
症状4.感覚の乱れ/上下左右や空間の把握に支障をきたす

その他、レビー小体という異常なたんぱく質の塊が脳に蓄積する
「レビー小体認知症」や、脳の前頭葉・側頭葉が障害されて起こ
る「前頭側頭型認知症」があります。

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★ 若年性認知症は働き盛りの40代で発症の可能性も ★
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65歳未満の人が発症する認知症を総じて「若年性認知症」と呼び
ます。慢性疲労やうつ症状、更年期障害と症状が似ていることか
ら、発症していてもなかなか気づかず診断が遅れてしまうことも
あるようです。
若年性認知症は、女性よりも男性の方がなりやすく、平均発症年
齢は51歳とするデータもあります。若年性認知症は、「アルツハ
イマー型認知症」と「脳血管性認知症」に大きく分けられますが、
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血による脳血管性認知症のほうが多
いようです。

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★ 認知症の予兆にはどんなものがあるの? ★
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認知症初期のさらに前段階として、MCI(軽度認知障害)がありま
す。MCIのすべての方が認知症になるとは限りませんが、放置する
と年間10~15%の方が認知症に進行するといわれています。
MCIの段階で発見し、早めの対策を行っていくことが重要です。

~MCIの特徴~
 ・年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存
  在する
 ・本人または家族によるもの忘れの訴えがある
 ・全般的な認知機能は正常範囲である
 ・日常生活での動作は自立している
 ・認知症ではない
 
~MCIの予兆~
 【外出時】外出に消極的/服装に無頓着/約束を忘れる
 【料理時】手の込んだ料理をしなくなった/味付けが変わった
      鍋を焦がすようになった
 【仕事時】同じ質問や確認を繰り返す/新しい機器やソフトの
      使い方を覚える気がしなくなった
 【その他】洗濯物を干し忘れる/財布に小銭が貯まるように
      なった
                           など

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★ 今日からできる認知症予防 ★
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脳科学者である川島隆太先生(東北大学加齢医学研究所所長)は、
“加齢により経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟す
ること”と定義した「スマートエイジング」を提唱する中で、
「認知」「運動」「栄養」「社会性」の4条件が満たされる必要
があるとしています。

・認知:脳を使う習慣。特にワーキングメモリーを意識する。
・運動:身体を使う習慣。有酸素運動と年齢に応じた筋力トレ
ーニング。
・栄養:バランスのとれた食生活。中年期は過栄養が寿命を縮
め、老年期では低栄養が心身機能を低下させる。特に、
朝ご飯が大事。
・社会性:人と関わる機会や習慣を持ち続けること。新しいこ
      とに挑戦することも必要。

食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が脳血管性
認知症やアルツハイマー型認知症の発症リスクを高めるといわれ
ています。減塩、禁煙、運動に取り組み生活習慣を規則正しいも
のにしていくことは基本中の基本です。特別な“何かすること”
“何かをやらないこと”といった予防策があるのではなく、何事
もバランスよく健康的な生活を心掛けることが認知症の予防につ
ながるといえます。

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★ 最後に・・・ ★
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人生100年時代を迎え、「健康寿命」「労働寿命」という言葉も
キーワードになってきました。雇用制度のあり方も大きく変わり
始めている昨今、私たち労働者の働き方も多様化してきています。
できるだけ長くイキイキと健やかに働くためにも、心と身体の健
康を意識した今の生活が、将来の自分への投資になるといっても
過言ではありません。高齢社会を幸齢に生きていくために、今か
ら出来ることを一つ一つ大切にしていきましょう。

 

(参考資料)
厚生労働省/平成30年簡易生命表の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life18/index.html
厚生労働省/「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさ
しい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html
認知症ねっとhttps://info.ninchisho.net/
安心介護 https://ansinkaigo.jp/
川島隆太、村田裕之 年を重ねるのが楽しくなる「スマートエイ
ジング」という生き方 扶桑社 2012年
公益財団法人健康・体力づくり事業財団/「認知症予防はカラダ
づくりから!」
http://www.health-net.or.jp/syuppan/leaflet/index.html
きょうの健康(2017.08)/「防げ!認知症」
                         以 上