健保からのお知らせ
2019/8/2
(健康づくりWEBかわら版2019年8月号) 片頭痛について
(転載)日本予防医学協会 健康づくりWEBかわら版 2019年8月号より ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ つら~い片頭痛、解放されたい!! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 原因となる病気は見当たらないが、繰り返し起こる頭痛を慢性頭 痛と言い、15歳以上の約4割が慢性頭痛に悩んでいるそうです。 慢性頭痛には片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などがありますが、 この中でもこれからの台風シーズン(気圧変化など)も関係してく る片頭痛に注目してみることにしました。 そこで今回は『片頭痛』に関するお話です。 ---------------------------------------------------------- ★ 私の頭痛は片頭痛?! ★ ---------------------------------------------------------- 【頭痛が起きるメカニズム】 現在有力な説は、様々な要因によって脳の血管を取り巻いている 三叉神経が刺激され、血管を拡張する物質を放出することで、炎 症が起きる・脳の血管が拡張するなどにより痛みが起こると考え られています。 【要因】 ・月経や排卵、出産や更年期等の女性ホルモンの変化 ・寝不足や寝過ぎ、飲酒 ・ストレスやストレスからの解放 ・まぶしい光や強いにおい、人ごみや騒音 ・天候や気圧の変化、湿度や温度 など 【症状】 痛みが4~72時間続く + 以下の内2つ以上当てはまる ・頭の片側、もしくは両側に起こる ・脈を打つようにズキンズキンと痛む ・仕事や家事に支障がでる、または我慢できない痛みがある ・動くと痛みが悪化する + 以下の内1つ以上当てはまる ・頭痛が起こると吐き気がする ・光や音に敏感になる 【予兆や前兆】 ・空腹感や生あくび、イライラ、手足のむくみなどがある ・閃輝暗点(せんきあんてん)が見られる場合がある。 視野の中央にギザギザした光が現れ、5~60分程続き、 同時にもしくは閃輝暗点が消えてから60分以内に頭痛が 起こる。 ---------------------------------------------------------- ★ 片頭痛が起きたら・・・ ★ ---------------------------------------------------------- 片頭痛が起きたときにできる対処方法をご紹介します。 ・痛む部分を冷たいタオルなどで冷やす。 ・入浴は控える。 ・暗く静かな場所で安静にする。 ただし、生活に支障を来すほどの痛みがある場合には、かかりつ け医や頭痛外来や神経内科などを受診しましょう。 痛みの程度が強くない場合、市販の頭痛薬なども症状緩和に効果 がありますが、「薬の使い過ぎによる頭痛」も懸念されています。 そのため、頻回の使用は避けるようにしましょう。 ~プチメモ~ 「薬の使い過ぎによる頭痛」 頭痛が起こることへの不安や恐怖心が強くなる。 → 市販薬や処方薬を使う回数が増える。 → 痛みに敏感になり、頭痛の頻度が多くなる。 → 頭痛が複雑化して薬が効きにくくなる。 ---------------------------------------------------------- ★ 片頭痛に特化した薬がある?! ★ ---------------------------------------------------------- ●トリプタン製剤● 片頭痛を起こしていると考えられている三叉神経周辺の炎症を抑 え、脳の血管を収縮させる作用があります。片頭痛の痛みを感じ たらすぐに使用することで最も効果を発揮します。 なお、トリプタン製剤には効果の現れ方や内服の仕方によって種 類が色々あります。また、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症、重度の高 血圧・肝臓病がある方は使用できません。 ●現在開発中! 抗CGRP抗体療法● 血管を拡張させる物質の作用を止める薬が現在開発中のようです。 国内外で治験(臨床試験)が進んでおり、痛みの消失・軽減効果が 期待されています。 その他、片頭痛に対しては必要に応じて予防薬が処方されること があります。予防薬の使用に際しても、頭痛の頻度や生活への支 障の有無、治療薬の効果の有無など個人の状況に合わて検討され ます。片頭痛に悩んでいる方は医療機関にご相談ください。 ---------------------------------------------------------- ★ 自分の片頭痛を知ろう「頭痛ダイアリー」 ★ ---------------------------------------------------------- 片頭痛がある方は日記をつけてみましょう。痛みの程度や内服状 況の他、予兆の有無、月経周期なども併せて記録してみると、自 分なりの傾向が分かるようになります。傾向が分かれば自分なり の予防策を立てることができますし、受診時に記録があると、診 断や治療にもつながりやすくなります。ご自身の手帳や携帯電話 のスケジュール機能を活用いただくこともいいですね。 また、日本頭痛学会ホームページからもダウンロード可能です。 一般社団法人 日本頭痛学会 http://www.jhsnet.org ---------------------------------------------------------- ★ 最後に・・・ ★ ---------------------------------------------------------- 筆者は台風等の低気圧が近づいてくると頭痛を感じる頻度が増え る傾向があります。近年気象の変化と不調との関係性の研究も行 われており、『天気痛』や『気象病』とも呼ばれています。ご自 身の片頭痛に天気が関係しているかも?!と思われる方は、頭痛 ダイアリーをつける際に、天気も記録してみるといいですね。 なお、頭痛の予防には自律神経を整えることや睡眠の質を高める こと、ストレスをためないことなども大変重要です。片頭痛があ る方は、日常生活の中でもご自身を労わるようにしていきましょ う。 ※今回の記事は以下を参考にいたしました。 ・へるすあっぷ21 2017年6月号 p.46-53 「もう天気痛に悩まない!」 ・へるすあっぷ21 2018年5月号 p.46-53 「つらい頭痛の対処法」 ・NHKテキスト 今日の健康 2017年8月号 No.353 p.66-69 「片頭痛」 ・NHKテキスト 今日の健康 2017年8月号 No.353 p.74-77 「薬の使い過ぎによる頭痛」 以 上