健保からのお知らせ

2019/2/1

(健康づくりWEBかわら版2019年2月号) 腕が上がらない!四十肩・五十肩?!

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2019年2月号より
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

腕が上がらない!四十肩・五十肩?!
         
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

四十肩・五十肩をご存知ですか?肩の関節の痛みのため腕が上が
らなくなる症状の総称で、40代、50代に発生しやすいことから四
十肩・五十肩と呼ばれています。皆さんの職場に肩が痛くて悩ん
でいる方はいらっしゃいませんか?
そこで今回は『四十肩・五十肩』に関するお話です。

———————————————————-
★ 四十肩・五十肩って何? ★
———————————————————-
「肩関節」と聞いた時にどの部分を思い浮かべますか?日本人で
は首の付け根から肩甲骨の周りまでを「肩」と認識している方が
少なくありませんが、医学的に「肩関節」と呼ばれる関節は肩甲
骨と上腕(二の腕)の接合部分を指しています。この肩関節自体
あるいは肩関節の周囲の筋肉や靭帯などの軟部組織と呼ばれる部
分に炎症などが起こり、主に腕を動かしたときに痛みを感じる症
状の総称が「四十肩・五十肩」です。

———————————————————-
★ 四十肩・五十肩の種類 ★
———————————————————-
冒頭に記載しましたが、四十肩・五十肩とは「肩関節の周囲が痛
む症状」の総称で、肩の痛みを発生させる疾病が複数存在します。
具体的な疾病例は以下のとおりです。

●肩関節腱板炎
肩関節には腕を上げる際に働く【腱板】と呼ばれるインナーマッ
スル(筋肉)が付着しています。加齢とともにこのインナーマッ
スルが摩耗して炎症を起こした状態が肩関節腱板炎です(単に腱
板損傷ともいわれる場合もあります)。この肩関節腱板炎は四十
肩・五十肩の中でも大きな割合を占めているといわれています。

●肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)
肩関節の動きの自由度を担保するために筋肉と骨の間には、第2
肩関節と呼ばれる肩峰下滑液包という袋が存在しています。この
袋の中には滑液とよばれる液体が入っていて、肩関節の複雑な動
きに対応する仕組みになっています。この肩峰下滑液包が何らか
の原因で炎症を起こした状態を指します。
肩の痛みに加えて腕のだるさや夜間の痛み(夜間痛といいます)
が発生する場合もあり、腕を横に上げたときに痛みを感じやすく
なります。

●上腕二頭筋長頭腱炎
もっともメジャーな筋肉!といっても過言ではない、二の腕の力
こぶをつくる時に固くなる筋肉が上腕二頭筋です。この上腕二頭
筋の腱は上腕骨の通り道(結節間溝)を通って肩関節に付着して
います。この通り道である上腕骨と上腕二頭筋の腱がこすれて炎
症を起こした状態を上腕二頭筋長頭腱炎といいます。主に、腕を
上げたり、ひねったりするとズキっとした痛みを感じます。

これらの疾病のほかにも、烏口突起炎(うこうとっきえん)、不
安定性肩関節炎、石灰化沈着腱板炎などの疾病が原因となり痛み
が発生している状態がいわゆる四十肩・五十肩といわれます。

———————————————————-
★ どんな症状が起こるの? ★
———————————————————-
四十肩・五十肩によくみられる症状とは、腕を上げたときに痛み
を感じるケースが多く、その他にも腕を横に上げると痛むケース
などがあります。また、時間の経過とともに痛くて腕を腰の後ろ
に回せない、髪を結べない、夜中に肩の痛みで目が覚めるなどの
症状も発生するケースがあります。ひどくなると、一日中、じっ
としていても肩関節がうずくなどの症状を訴える方もいます。

———————————————————-
★ セルフチェックポイントと痛みがある際の対応 ★
———————————————————-
「あれ?なんだか肩が痛むぞ」と思ったときに以下のようなチェ
ックをしてみてください。

1.バンザイした時に肩が痛む
2.肩が痛くて腰の後ろで両手を組めない
3.肩が痛くて後頭部で両手を組めない(髪が結えない)
4.就寝時、肩を下にして寝ると痛む
5.就寝時、肩が痛くて寝がえりできない
6.上着の脱着で肩関節が痛む

このような姿勢をとった際に肩関節がズキっと痛む場合は、整形
外科への受診をおすすめいたします。
炎症を鎮めるための内服や運動療法などを継続して行うことで、
より早期に痛みが治まるといわれています。
また、痛みを長期間放置してしまうと、関節が固くなり(拘縮と
いいます)、バンザイなどの姿勢ができなくなってしまうケース
もあるため、早期発見・早期治療が肝要です。

———————————————————-
★ 最後に・・・ ★
———————————————————-
年齢を重ねるにつれ、加齢による筋力の低下や関節の可動性が低
下するという変化が起こりやすくなります。このような加齢に伴
う変化により、四十肩・五十肩は発生しやすくなります。
特に、普段デスクワークが多く、慢性的な肩こりなどをお持ちの
方は要注意です。
肩こりは肩甲骨の可動性(動き)が低下していることが多く、肩
甲骨の動きの低下は肩関節の可動性の低下へと連鎖して、四十肩
五十肩を起こす要因の一つとなります。
普段から、意識して肩甲骨を動かしたり首や肩関節周りのストレ
ッチをしたり、あるいはインナーマッスルが弱らないようトレー
ニングをしておくことが有効な予防対策であるといえます。

理学療法士 T

※今回の記事は次の資料を参考にして作成しました。
・標準整形外科学 医学書院
・整形外科学 医学書院
                          以上