健保からのお知らせ

2019/11/5

(健康づくりWEBかわら版2019年11月号) 高血糖 

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2019年11月号より
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   決して甘くはない、高血糖!

 

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11月14日は「世界糖尿病デー」です。日本では、世界糖尿病デー
のモチーフ「ブルーサークル」にちなみ、各地の建造物をブルー
にライトアップして啓発活動を行っています。
なお、日本人の多くは体質的に糖尿病になりやすい遺伝子を持っ
ており、この半世紀、食生活が急速に豊かになったことで糖尿病
患者数が、20倍にも増えている現状があります。
そこで今回は糖尿病につながりやすい『高血糖』に関するお話で
す。

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★ 血糖値とHbA1c ★
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【血糖値】
血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。
血糖の濃度が上昇すると、すい臓から分泌されるホルモン「イン
スリン」の働きにより、ブドウ糖が身体の細胞に取り込まれ、エ
ネルギー源として利用されます。また、余分なブドウ糖はグリコ
ーゲンへと形を変え肝臓や筋肉に貯えられます。
血糖値が下がってくると、貯蔵したグリコーゲンをブドウ糖に分
解させエネルギーとして使い、血糖値を正常に戻します。

血糖値は食前と食後で変化しますが、通常であれば食前(空腹時)
の血糖値は約70~100mg/dlの範囲です。

【HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)】
赤血球の成分であるヘモグロビンの一部にブドウ糖が結合したも
のの濃度のことで、過去1~2ヵ月間の血糖値の変動を示してい
ます。4.6~5.5%が基準値となります。

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★ 高血糖の甘くないトコロ ★
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その1「動脈硬化を引き起こす!」
血糖値が高い状態や、急激な血糖値の上昇は、血管を傷つけ、動
脈硬化を自覚症状なく進行させます。動脈硬化が起きると、ある
日突然、虚血性心疾患や脳梗塞などの病気を引き起こし、要介護
状態に陥ったり、場合によっては死に至ることがあります。

その2「糖尿病へと進行する!」
血糖値が慢性的に高い状態が続いている場合、糖尿病と診断され
ます。糖尿病は自覚症状がほとんどなく進行しやすい病気です。
また、血糖値が高い状態が続くと血液中のたんぱく質の糖化反応
が進み、静かにゆっくりと悪影響が広がっていき、さまざまな合
併症を招きます。

 ・成人の失明原因、第1位! 「糖尿病網膜症」
 ・人工透析原因、第1位!  「糖尿病腎症」
 ・足先・足裏のしびれや感覚が低下する!「糖尿病神経障害」
 ・下肢の切断につながることも! 「糖尿病足病変」
   神経障害と末梢の血管の障害により、下肢の関節やかかと
   に潰瘍や壊疽(えそ)が見られる。
 ・悪循環を引き起こす! 「歯周病」
   糖尿病は歯周病を憎悪させ、歯周病は糖尿病を悪化させる。

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★ 高血糖を知る ★
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すい臓から分泌されているホルモン「インスリン」の分泌が少な
くなっていたり、働きや効きが不十分であると、食後の血糖値が
急上昇しやすく、また常に血糖値が高い状態となります。

特定健康診査における特定保健指導判定基準では、空腹時血糖10
0㎎/dl以上またはHbA1c5.6%以上です。
また、空腹時血糖126㎎/dl以上またはHbA1c6.5%以上である場合
には、糖尿病の可能性が高くなるため、受診をお勧めしています。

なお、空腹時の血糖値は正常であるにも関わらず、食後の血糖値
が大幅に高くなるという場合もあり、「隠れ糖尿病」と言われま
す。血糖値の波が大きいことで、血管の壁を傷つけやすい食後の
高血糖を正確に調べるためには、75g経口ブドウ糖負荷試験とい
う検査が必要になります。

【高血糖の主な要因】
 ・加齢
 ・遺伝的要因
 ・内蔵脂肪型肥満
 ・運動不足・筋肉量の低下
 ・1日1食や2食などの欠食がある 
 ・食事内容が偏っている、野菜摂取が不足している
                          など

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★ 今日からできる、予防&対策6か条 ★
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一つ、「内臓脂肪を減らすべし!」
 内臓脂肪が蓄積すると、インスリンの働きが悪くなります。
 食事量や有酸素運動などにより内臓脂肪を減らす・ためないこ
 とを意識していきましょう。

二つ、「3食食べる、食事のリズムを整えるべし!」
 血糖値の波を小さくするためには、欠食はせず、3食のリズム
 を整えていきましょう。

三つ、「糖質中心の食事を見直すべし!」
 血糖値を上げる材料である糖を含む食べ物の量が多いときには
 少し調整しましょう。具体的には、おかわりをしない、
 また、玄米、全粒粉のパン、そばなどは吸収が遅い糖質が含ま
 れているため、食後の高血糖を抑えることができます。

四つ、「ベジ・ファーストを心がけるべし!」
 食物繊維(野菜・海藻類・豆類)を先に摂ることで、血糖値の急
 激な上昇を抑えることができます。

五つ、「食事はよく噛んでゆっくり食べるべし!」
 糖の吸収が穏やかになり、また食べ過ぎによる糖質の過剰摂取
 も防げます。

六つ、「運動量や活動量を増やすべし!」
 運動により血中のブドウ糖を消費します。
 短時間の運動でもこまめに行うことで血糖値の上昇を抑えます。
 座位時間を減らす、歩く時間を少しずつ増やすなど、活動量を
 少しずつ増やしていきましょう。

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★ 最後に・・・ ★
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高血糖を決して甘くみてはいけません。血管を傷つけ、健康を害
し、今後の生活・未来に大きな影響があります。そのため、健康
診断で血糖値を確認しながら、都度生活習慣を見直していきまし
ょう。
また、すでに血糖値やHbA1cが高い場合には、受診や生活習慣改善
をおこないましょう。「今」の積み重ねがあなた自身の「未来」
につながります。
                       以上