健保からのお知らせ

2017/9/1

(健康づくりWEBかわら版2017年9月号)「虫さされ」について  <ハチ、マダニ、ヒアリ>

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2017年9月号より
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「虫さされ」について
                                      
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秋になると、森林浴やキャンプ場などのレジャーに出かける方も
多いのではないかと思います。山や川などで癒される反面、虫さ
されにも注意が必要です。
そこで今回は『虫さされ』に関するお話です。

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★ 「虫さされ」の皮膚症状 ★
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「虫さされ」の症状は、虫にさされたり、噛まれたり、触れたり
することでおこるアレルギー反応や感染症による症状と、虫によ
って媒介される病原体による症状があります。

「皮膚症状」には、虫由来の物質に対するアレルギー反応や虫の
毒液によって引き起こされる症状があります。
アレルギー反応には、虫にさされたり噛まれたりしてすぐに痒み
を伴い、皮膚が赤くなったり膨らんだりして1~2時間で改善す
る「即時型反応」と、1~2日で症状が出現して数日から1週間
程度で改善する「遅延型反応」があります。

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★ 「虫さされ」の全身症状 ★
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「虫さされ」によって全身症状がおこるのは、アナフィラキシー
ショックといって、強いアレルギー反応がおこった場合です。
具体的には、全身に蕁麻疹(じんましん)のような皮膚症状が現
れ、吐き気や腹痛、息苦しいといった症状を認め、最悪の場合、
呼吸困難や血圧低下、ショック症状を引き起こし、死に至る場合
もあります。
多くの場合は30分以内に症状が出現するといわれており、緊急の
対応が必要です。

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★ 「虫さされ」の対処 ★
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「虫さされ」の対処ですが、軽い症状であれば市販の塗り薬を使
用してみてください。
痒みが強かったり、広い範囲に症状が出てきたりする場合は、医
療機関の受診が必要な場合もあります。ステロイドを含有した塗
り薬やアレルギー症状を抑える内服薬での対応となります。

先程、示したアナフィラキシー症状を疑う場合は、緊急の治療が
必要となるので、必ず医療機関へ受診し、場合によっては救急車
での対応が必要です。

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★ ハチにさされたとき ★
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ハチにさされたときの症状は、痛みと皮膚が赤くなることが挙げ
られます。1回目にさされた時は、多くは1日以内に軽快するこ
とが多いのですが、2回目以降はアレルギー反応を伴うことがあ
り、赤く腫れ、症状が広がることがあります。
ハチにさされた場合に注意が必要なことは、アナフィラキシー症
状です。気分が悪くなり、全身に蕁麻疹をみとめ、吐き気や腹痛、
息苦しさなどが出現します。

また、呼吸困難や血圧低下から死に至る場合もあります。アナフ
ィラキシー症状は初めてさされた場合にもおこることがあるので
注意が必要です。アナフィラキシー症状が疑われる場合はすぐに
医療機関を受診しましょう。

アナフィラキシーショック発症に対する対策・予防としては、
「エピペン」というアドレナリン自己注射薬を携帯しておく方法
や蜂にさされない様に気をつけるといったことが重要です。
「エピペン」については、医療機関に相談しましょう。

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★ マダニにさされたとき ★
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日本の山野にはマダニが多数生息しています。マダニは大きさが
1~3mm程度で、皮膚に噛み付いて吸血します。長時間かけて吸
血し、飽血状態になると脱落します。慌てて引き抜こうとすると
頭が皮膚に残ってしまうので、マダニをつけたまま皮膚ごと切り
取る事が重要です。皮膚が赤くなったり、腫れたり、出血や水膨
れなどが生じます。

マダニにさされた場合に注意が必要なことは、マダニが媒介する
感染症です。ダニの種類によっては、ライム病や日本紅斑熱、SF
TSウイルス感染といった感染症を引き起こす場合もあるので、医
療機関の受診が必要な場合もあります。

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★ ヒアリにさされたとき ★
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最近、ヒアリに関するニュースが多いですが、ヒアリにさされた
ときの症状は、さされた瞬間は熱いと感じるような激しい痛みを
感じます。やがて、痒みが強くなり、その後、膿が出ます。症状
が強い場合は腫れ上がり、蕁麻疹を伴うことがあります。重症例
では、ヒアリにさされた場合もアナフィラキシーショックとなり
死に至る場合があります。

ヒアリにさされた直後は20~30分程度は安静にして体調の変化が
ないか注意が必要です。体質によってはアレルギー反応が出現し
アナフィラキシーショックを発症する可能性があるので、容態が
急変した場合はすぐに医療機関への受診が必要です。ヒアリの毒
は、ハチ毒との共通成分などが含まれているので、ヒアリにささ
れた経験がなくてもハチ毒アレルギーを持つ方は特に注意が必要
です。

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★ 最後に・・・ ★  
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ハチやマダニ、ヒアリ以外に、ムカデやヒル、ブヨなど注意が必
要な虫はさまざまです。長袖、長ズボンで肌の露出を避け、防虫
スプレーを活用するなどの予防が大切です。
また、虫さされ薬や、虫が嫌う柑橘系のキャンドル(アウトドア
用)、毒や毒針を吸い出すポイズンリムーバーなども持参してお
くことをお勧めします。
しっかりと対策をして、アウトドアを楽しみましょう!
                      

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。
・あたらしい皮膚科学:第2版、清水宏、中山書店
・皮膚疾患ペディア:片山一朗ら、日本医師会
・蜂毒アレルギーの臨床:平田博国ら、
                        Dokkyo Journal of Medical Sciences
・厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp
                           以 上