健保からのお知らせ

2017/11/1

(健康づくりWEBかわら版2017年11月号)『早朝高血圧』について

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2017年11月号より
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特に危険!早朝の高血圧とは?
         
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高血圧が心筋梗塞や狭心症、認知症や慢性腎臓病などを引き起こ
すことは知られていますが、なかでも、早朝の高血圧は見逃され
やすく病気の関連も注目されています。

そこで今回は『早朝高血圧』に関するお話です。

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★ 早朝高血圧とは? ★
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血圧は一日中一定ではなく、運動や入浴時、痛みや興奮、ストレ
スがあったときなど活動や刺激、感情等によって一時的に上昇し
ています。また、1日の中でも変動しており(日内変動)、一般
的には、夜寝ている間は低く、朝起きて活動を始めると心臓から
送り出される血液量が増えるため、朝から昼にかけて自然に上が
っていきます。しかし、早朝に血圧が急上昇してしまう場合があ
り(=早朝高血圧)現在注目されています。

早朝高血圧は、起床後1時間以内に家庭で測定した上の血圧が135
mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上を基準として診断されま
す。

外来の診察室で測定すると正常で、治療を受けている場合でも血
圧がうまくコントロールされているようにみえるため、見過ごさ
れやすいと言われています。

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★ 早朝高血圧の危険性 ★
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早朝に血圧が急上昇する方や、日によって血圧の上がり方が異な
る方は血圧が非常に変動しやすいと考えられています。
とくに早朝には脳卒中や心筋梗塞などの発症が多く、早朝高血圧
は脳や心臓、腎臓すべての心血管疾患のリスクと有意に関連して
いると言われています。また、これらの疾患は症状もなく気付か
ないうちに発症するため、非常に危険です。

なお、早朝高血圧は寒さも関係していることがあり、寒い朝は血
管が収縮し血圧が上がりやすいため、特に危険です。運動は血圧
を上げるため、寒い朝の実施は出来るだけ避けるなど注意が必要
です。

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★ 早朝高血圧が起こる原因 ★
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早朝高血圧の原因はさまざまですが、次のようなケースが影響し
ています。

【高血圧の服薬治療が不十分】
 降圧剤の効果が十分に得られておらず、薬の効果が翌日の朝ま
 で持続していない。
【糖尿病や腎臓病、睡眠時無呼吸症候群などの持病がある】
 自律神経の障害と関連があるため、夜間も血圧が下がらず早朝
 に高血圧の状態になりやすい。
【睡眠不足やストレス】
 自律神経の障害を起こしやすい睡眠不足や質の悪い睡眠、スト
 レスなどが血圧に関連し、休日明けの朝は血圧が上がりやすい
 という研究報告もある。
【喫煙・飲酒】
 喫煙は血管を収縮させ、吸っている間は血圧を上昇させる。ま
 た、過度な飲酒は睡眠の質の低下や脱水などを引き起こし、翌
 朝の血圧を上昇させる。
 
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★ 早朝高血圧の対処法 ★
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①服薬の処方を見直す
 長時間作用する薬に替える、朝と夜に分けて服薬する、寝る直
 前に服薬するなど、薬の種類や服薬のタイミングを主治医と相
 談してみましょう。

②寒さへの対処
 足の冷えを避けるため、お風呂にゆっくり浸かる、夜にストレ
 ッチを行う、睡眠用の靴下を着用するなどで身体を温めましょ
 う。また、朝は目覚めてすぐに立ち上がることや朝風呂、冷た
 い水での洗顔は避け、トイレや脱衣所、浴室内(シャワーを浴
 びる場合)なども暖かくしておくことをお勧めします。
 さらに、早朝に外に出るときは着込んでおくことを忘れないよ
 うにしましょう。

③普段から高血圧を予防する
 肥満の解消、減塩や血圧を下げる食品(野菜、果物、塩分の少
 ない魚)などを意識して摂る、節酒・禁煙、適度な運動(例:
 心拍数100~120拍/分になる早歩き)、生活リズムを整えるな
 ど、日頃から生活習慣の改善を行うことが大切です。

※高血圧の方は激しい運動により脳卒中や心筋梗塞を引き起こす
 こともありますので、運動を行う際は事前に医師に相談しまし
 ょう。

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★ 本当の血圧を把握する ★
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健康診断や診察室での測定は“ある時点”での血圧で、日内変動
までは知ることができません。早朝高血圧を見逃さないためには、
家庭で毎日測定することが大切です。次のポイントを参考に測定
を実施していきましょう。

●血圧測定のタイミング
【朝】起床後1時間以内、トイレの後、朝食の前、薬を飲む前
【夜】寝る前、入浴や飲酒の直後は避ける

●記録
・朝と夜に2回ずつ測り、それぞれの平均値を記録する
・どんな日に血圧が上がるか、体調や出来事(残業、飲み会など)
 も併せて記録する

家庭での測定は、健診結果で血圧が基準値を超えているすべての
方にお勧めします。また、高血圧と診断されていなくても、遺伝
などで将来高血圧になるリスクの高い方や、心筋梗塞・脳卒中を
起こすリスクの高い方も測定を心掛けましょう。

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★ 最後に・・・ ★
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脳卒中などの血管障害は痴呆や寝たきりの原因になり得るため、
高血圧を防ぐことが重要です。末永く健康的な生活を送るために、
家庭での血圧測定を行い、ご自身の血圧の状態を知ることから始
めてみてはいかがでしょうか。そして、その結果に応じて治療や
生活習慣の改善を行っていきましょう。
                          以 上