健保からのお知らせ

2016/9/1

(健康づくりWEBかわら版2016年9月号) 腰痛予防

(転載)日本予防医学協会

    健康づくりWEBかわら版 2016年9月号より

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仕事の姿勢に気をつけて!簡単腰痛予防

         

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腰痛は人類が進化の過程で4足歩行から2足歩行になり、足だけ

で体を支えるようになったため運命的な疾患であるとされていま

す。生涯のうちで約8割の人々が腰痛を患うといわれており、ま

た再発率も高い疾患とされています。わが国では高度経済成長期

の肉体労働者を中心に腰痛が蔓延していましたが、近年は、仕事

の質の変化に伴い、オフィスワーカーでも慢性腰痛を訴える方が

多くなっています。このように、腰痛は非常に古く、また、新し

い問題であるともいえます。

そこで、今回は『腰痛』に関するお話です。

 

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★ 仕事と腰痛 ★

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皆さん、仕事をしているときはどういった姿勢が多いでしょうか

?立ち仕事、座り仕事、はたまた、かがんで作業する、物を持ち

上げることが多い作業など、様々な姿勢でお仕事をしていらっし

ゃると思います。

仕事の内容によって、多かれ少なかれ腰へ負担がかかっているこ

とをご存知ですか?座り姿勢が多いオフィスワークだからといっ

て身体負担が無いわけではありません。むしろ、動きのある仕事

より腰にかかる負担は大きいといわれています。座りっぱなしや

立ちっぱなしなど、動きの少ない姿勢が長時間持続することによ

って、筋肉が血管を圧迫し、血流が悪くなり、筋肉疲労や腰痛を

起こしやすくなります。

対して、重量物を取り扱う仕事が多い方や介護などで人を抱え上

げる仕事などは動き方や抱え上げることによる腰への負担が大き

いといわれています。こういった作業が多い方は、繰り返す過度

な筋収縮や関節の動きが筋肉、関節、腱などに過度な負荷を加え

ているため、場合によってはぎっくり腰などの急激な痛みを生じ

る原因となります。

 

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★ 心と痛み ★

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腰痛は前述したような物理的な負担のみで起こるものではありま

せん。近年、肩こりや腰痛を発生させうる重要な要因として、心

の問題が話題となっています。

国内の研究では、“仕事の量や質”、“職場での対人関係ストレ

ス”、労働者が感じる“働き甲斐”や“裁量権”などが、身体的

な痛み症状となって現れるといった報告が発表されています。

また、脳科学研究の分野では、いわゆるストレスが「脳機能の不

具合」を引き起こし、痛みを長引かせる(慢性化させる)という

ことがわかっています。

 

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★ 仕事中にできる腰痛予防法 その1 ★

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最も効果的で実施しやすい対策は、体操を始めることです。仕事

の姿勢や負担に応じて効果に違いがあるものの、非常に簡便に、

個人でも実施できることが体操をお勧めするポイントの一つです。

例えばオフィスワーカーの方は座り姿勢が続くことで、筋肉への

刺激量が少ないと考えられています。このため、お腹や腰周りの

筋肉が弱りやすく、筋疲労が起こりやすいと考えられます。この

場合であれば、お腹や腰周りの筋肉を刺激するような簡単な体操

(筋トレ)を仕事の合間に行うことで腰痛予防に効果があるとい

えます。

また、重量物取扱いなどの仕事が多い方は、筋肉や関節に過度な

負担がかかっていることが多いため、持続的に筋肉を引き伸ばす

体操(ストレッチ)が適しています。さらに、股関節の筋力と腰

痛には深い関係があるといわれていますので、オフィスワークや

体を使う仕事の有無に関わらず、シコ踏みなどの股関節の筋肉機

能を向上させる運動は非常に有効だと考えられます。是非、仕事

の合間に取り入れてみてください。

 

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★ 仕事中にできる腰痛予防法 その2 ★

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オフィスワーカーの方は、同じ姿勢でじっとしていると、座り心

地が悪くなり、ついつい座りなおしたり、ちょっと動いたりして

しまいませんか?実は、これは正常な証拠です。人の体の構造は、

元来、長時間同じ姿勢を続けるようにはできていません。そのた

め、集中しすぎて、全く動かず、座って仕事をつづけることが危

険だと体が判断して座るポジションを変えているのです。

このことから、仕事中の作業姿勢を意図して変更することも重要

だといわれています。例えば、パソコン入力業務を、座りっぱな

しでなく、立って作業をすることもできるように、可変式のデス

クを据え置き、定期的に座りと立ちを繰り返すようにする。逆に、

立ち作業が多ければ、座って作業ができるようにするなど、職場

のレイアウトについて工夫することも腰痛予防につながります。

 

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★ 最後に・・・ ★

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今回は仕事の合間に取り入れることのできる簡便な予防法を紹介

しました。もし、何かしらの体操を仕事の合間に取り入れようと

思った方は、産業医や保健師をはじめとした産業保健スタッフ等

とよく相談しながら、仕事の姿勢や動作に応じて適切な体操を取

り入れるようにしてくださいね。特に、40代を超えている読者の

方で腰、膝、足などに持病を抱えている方もいらっしゃると思い

ます。そういった方は、特にかかりつけ医や産業保健スタッフと

よく相談して、無理のない範囲で体操を取り入れてみるとよいで

しょう。また、職場改善としてレイアウトの工夫や作業姿勢を適

宜変えるようなレイアウトにすることも有効な手段の一つです。

普段から適宜姿勢を変えたり、身の回りの整理、整頓を心がける

ことによって、無理な姿勢を少なくすると腰痛を起こしにくい環

境を作ることができます。是非、実践に移してみてくださいね。

                          以 上