健保からのお知らせ

2016/6/1

(健康づくりWEBかわら版2016年6月号) 『更年期障害』

(転載)日本予防医学協会

    健康づくりWEBかわら版 2016年6月号より

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   みんなが迎える更年期

         

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更年期とは40歳~50歳頃のことを指し、この時期に現れる心身の

様々な症状を「更年期症状」とよびます。その症状が重く日常生

活に支障をきたす場合には、「更年期障害」と表されています。

更年期と聞くと、女性に訪れるものとして捉えられがちですが、

実は性別関係なく、誰しもが迎えるものなのです。

そこで今回は『更年期障害』に関するお話です。

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★ 更年期症状とは ★

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男女共に40歳を過ぎた頃から性ホルモンの分泌量が低下し、それ

により、自律神経失調症に似た症状が現れてきます。また、家庭

や仕事のストレスや肥満、運動不足も間接的な要因として考えら

れています。症状の現れ方は個々人によって様々ですが、代表的

な症状は以下になります。

 

代表的な症状

●のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ)・脈が速くなる

●動悸・息切れ・異常な発汗

●血圧が上下する

●耳鳴り・めまい

●頭痛・肩こり・腰痛

●イライラ・不安感

●抑うつ・不眠               など

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★ 女性の更年期障害 ★

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閉経期前後の約10年間に、卵巣ホルモンであるエストロゲンの分

泌が急激に減少することによって症状が現れます。

前述した「更年期症状」は主に閉経前に現れやすくなります。ま

た、生理不順も症状としてみられます。

閉経後には、上記の症状に加えて、膀胱炎や尿失禁、腰や膝の関

節痛、目やのどの粘膜の異常など、色々な身体症状や、無気力感

などの精神症状が現れやすくなります。

また、エストロゲンが減少することで、骨からのカルシウム流出

を抑える力が弱まり、骨粗しょう症のリスクが高くなる場合があ

ります。さらに、コレステロール値の上昇を抑える働きも弱まり、

動脈硬化の注意も必要になってきます。

 

ちなみに、大豆に含まれているイソフラボンや、前月号かわら版

でご紹介した亜麻仁(アマニ)油に含まれているアマニリグナン

には、女性ホルモン(エストロゲン)様作用があると言われてい

ます。そのため、更年期症状の緩和や骨粗しょう症予防に効果が

あると考えられています。

骨粗しょう症の予防には1日に約50mgのイソフラボンを摂取する

と良いと言われており、豆腐なら半丁、納豆なら1パックです。

是非食卓に大豆製品や亜麻仁(アマニ)油を取り入れてみましょう。

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★ 男性の更年期障害 ★

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医学的には「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と言

い、加齢に伴い、男性ホルモンであるテストステロンが減少する

ことで症状が現れます。

なお、女性は閉経前後とある程度時期を特定することが出来ます

が、男性の場合、30~70代と幅広く起こりうるため、発症時期を

特定することが難しくなっています。

また、症状としては、前述した「更年期症状」とほとんど同じで

すが、男性は女性に比べて、やる気が起きない、集中力が続かな

いなどの精神症状が多くみられることも特徴です。そのため、う

つ病やうつ状態と判断されてしまうケースも増えていると言われ

ています。

さらに、男性に特徴的な症状として、機能不全と呼ばれる性欲減

退、勃起不全障害(ED)などが現れやすくもなります。

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★ 更年期障害かなと感じたら ★

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症状が強く、生活に支障がある場合には、我慢せず早めに受診す

るようにしましょう。

出来れば、女性は婦人科に、男性は泌尿器科を受診されると、よ

り詳しい検査を受けることができます。

受診時には、問診による自覚症状の確認、身体検査、ホルモン値

を測るための血液検査などを行い診断します。

女性の場合には、乳ガンや子宮ガン、子宮の疾患の検査を、男性

の場合には、前立腺ガンの検査も実施します。

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★ 治療方法 ★

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●ホルモン補充療法(以下HRT)

HRTは体内に不足しているホルモンを補充する療法です。更年

期障害や症状の緩和・改善が期待できます。また、女性の場合、

エストロゲンの低下により起こりやすくなるコレステロールの代

謝異常や骨量減少などの改善、動脈硬化の予防にもつながります。

ただし、HRTを行うことでホルモンの作用による不快感を感じ

ることがあります。また、既往歴や持病がある方には、HRTが

適応できない場合もあります。

 

●漢方療法

HRTの適応外の場合や、HRTとの併用で用いられる治療法で

す。体質にあった漢方薬であれば、数日で効果が現れることもあ

ります。一方、効き方には個人差があり、副作用が現れる場合も

あるため、かかりつけ医の処方を受けるようにしましょう。

 

●その他

症状に合わせて、自律神経調整薬や抗不安薬、抗うつ薬などの薬

物療法を組み合わせることもあります。

さらに、カウンセリングなどで不安や悩みを話すことで症状が緩

和できることもあります。

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★ 最後に・・・ ★

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更年期症状は、加齢やホルモン量の低下によって起こっているの

であって、「気の持ちよう」で改善するものではありません。我

慢はせずに、早めに医療機関や専門家に相談するようにしましょ

う。また、体質やライフスタイルなども要因の1つと言われてい

ます。食生活や運動習慣、睡眠や休養など、ご自身の生活を見直

して、健康的な生活に変えていくことも大切です。自身の身体と

心の声に耳を傾けて、更年期を大事に歩んでいきましょう。

                          以 上