健保からのお知らせ

2016/5/6

(健康づくりWEBかわら版2016年5月号) 『油の種類』

(転載)日本予防医学協会

    健康づくりWEBかわら版 2016年5月号より

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

    賢く選んで油を味方に!

         

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

前回、脂質の種類についてお伝えしましたが、調理で使用する油

にも、様々な種類があります。きっかけがなければ、毎回同じも

のを選びがちですが、特徴を知って賢く選べば、実は油も健康管

理の味方になるのです。

そこで今回は『油の種類』に関するお話です。

 

———————————————————-

★ 見える油脂と見えない油脂 ★

———————————————————-

食用のあぶらは、常温で液体の油(オイル)と、常温で固体の脂(

ファット)に分けられ、あわせて油脂と呼びます。

そして、私たちが日頃摂取している油脂には、植物油やバターな

どの「見える油脂」と、肉や魚、乳製品、菓子類などに含まれて

いる「見えない油脂」があります。

日本人の摂取割合では、「見える油脂」は20%程度で、「見えな

い油脂」は80%程度と言われています。

「見えない油脂」は特定の食品に偏らず、摂り過ぎないように注

意しながら、「見える油脂」は目的に応じて賢く選び、健康管理

に役立てていきましょう。

 

———————————————————-

★ 注目の油、話題の油 ★

———————————————————-

今回は、油の健康効果に着目して、注目の油や話題の油をいくつ

かご紹介します。

 

・ごま油

強い抗酸化作用でがんや老化、動脈硬化を抑制するリグナンを多

く含む、酸化しにくい油。

特有の香ばしい香りと濃厚なコクが特徴で、加熱にも強いため、

炒め物や揚げ物、ドレッシングなど幅広く利用できる。

 

・オリーブ油

血液中のLDL(悪玉)コレステロール低下作用があるオレイン酸

を多く含み、酸化しにくい油。

エクストラバージンオイルは一番絞りで風味が高く、ドレッシン

グやマリネにお勧め。ピュアオイルは炒め物や揚げ物に。

 

・グレープシードオイル

ぶどうの種子から作った緑色の油。

抗酸化作用や老化防止、血行促進効果があるビタミンEを多く含

んでおり、酸化しにくい油。

すっきりとした風味で、ドレッシングやマリネにお勧め。

 

・エゴマ油

シソ科の植物、エゴマの種子からとる油。

血液中のコレステロールや中性脂肪値の低下、動脈硬化予防、ア

レルギーを抑制するα-リノレン酸を多く含む。

酸化しやすく、独特の風味があるため、ドレッシングや和え物な

どに少量使用するのがお勧め。

 

・亜麻仁(あまに)油

亜麻という植物の種子からとった油。

強い抗酸化作用や、更年期症状の緩和に効果があるリグナンを多

く含む。α-リノレン酸を多く含んでおり、酸化しやすいため、

エゴマ油と同様、生での使用がお勧め。

 

・ココナッツオイル

体内でエネルギーとして利用されやすい中鎖脂肪酸を多く含むた

め、体脂肪として蓄積しにくい。

炒め物やお菓子作りにバターの代わりに使うと良い。

 

油も種類によって含まれる成分が違うため、基本となる油(サラ

ダ油、キャノーラ油など)を決め、その他2~3種類組み合わせ

て使用していくと、脂肪酸のバランスも良くなると考えられます。

 

———————————————————-

★ 油を使用した調理のポイント ★

———————————————————-

油を使用した調理では、油のコクや香りが加わることで、塩分控

えめでも美味しく仕上がるというメリットがあります。

一方、油は1g当たり9kcalと、炭水化物やたんぱく質と比較し

てエネルギーが高いため、使用量には注意が必要です。

 

また、油は酸素や光、熱、金属などの影響で、過酸化脂質を生成

します。過酸化脂質は、がんや老化、動脈硬化を促進するなど健

康に害を及ぼすことがあるため、油の保管や使用法にも工夫が必

要です。

油を購入した後は、直射日光や蛍光灯などの光を避け、暗くて涼

しい場所に保管しましょう。開封後は、キャップをしっかり閉め、

なるべく新鮮なうちに使い切ることも大切です。

 

揚げ物に使用する際は、金属製の鍋(鉄や銅)よりも、アルミニウ

ムやステンレス製の鍋がお勧めです。使用後は、油が熱いうちに

油こし紙を敷いたこし器でろ過します。揚げ油の使用回数は条件

により異なるため一律に決められませんが、さし油(その都度新

しい油を注ぎ足すこと)をすると、多少長持ちします。

 

もし、揚げ油が嫌な臭いがする、色が濃くなり粘りがある、油切

れが悪くなる、泡が消えにくい、高温でないのに煙が出るなどの

場合は、新しい油に変えましょう。

 

さらに、油を選ぶ際には酸化しにくいものを選んだり、抗酸化成

分を多く含む緑黄色野菜などを組み合わせて摂るなどの工夫で、

体内での油の酸化を防ぐことができます。

 

———————————————————-

★ 最後に・・・ ★

———————————————————-

世界での油の歴史として、エジプトのピラミッドから油脂を使用

した痕跡が発見されるなど、人類は数千年以上も昔から、油を利

用していることが分かっています。

日本でも、日本書紀に「ハシバミの実から油をとった」という記

述が残されていますが、当時の油は、限られた階層の人のもので、

庶民の食卓に上るようになったのは、ごく最近のことです。

現在は、様々な種類の油が流通していますが、正しい知識をもっ

て、毎日の食卓に賢く取り入れたいものですね。

                          以 上