健保からのお知らせ

2016/4/4

(健康づくりWEBかわら版2016年4月号) 『脂質の種類』

(転載)日本予防医学協会

    健康づくりWEBかわら版 2016年4月号より

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

  脂質(脂肪)にも種類がある?!

         

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

春は新しい環境や新たな出会い、歓送迎会などのパーティーシー

ズンですね。一方では、この時期に「健康診断」がある方も多い

のではないでしょうか。特に、LDLコレステロール(以下LD

L-C)や中性脂肪などが高い「脂質異常症」の方は、危険な病

気の始まりであるにも関わらず、痛みを感じないため、放置して

いるケースも多いのではないかと思います。脂質について理解を

深め、少しでも改善していきたいですね。

そこで今回は『脂質の種類』に関するお話です。

 

———————————————————-

★ 脂質は体内でどんな役割をしているの? ★

———————————————————-

お腹や身体の色々なところにたまる脂質ですが、私達の身体を作

ったり、守るためにさまざまな役割を担っています。

 

【脂質の主な役割】

 ●細胞膜の主要な構成成分

 ●エネルギー源(炭水化物や蛋白質の約2倍のエネルギー量)

●臓器を保護するクッションの役割

 ●放熱を調整し、体温を維持する

 ●脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)やカロテノイド

  の吸収を助ける 

 ●コレステロールは細胞膜の構成成分のほか、ホルモンやビタ

  ミンDの前駆体(前の段階の物質)となる

 

———————————————————-

★ 食品に含まれる脂質の種類にはどんなものがあるの? ★

———————————————————-

脂質を構成する主成分は脂肪酸と呼ばれ、大きく分けて「飽和脂

肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。

 

●飽和脂肪酸

 動物性食品に多く含まれ、常温で固体の脂質。摂り過ぎると、

 血液中のLDL-C(悪玉)や中性脂肪を増やし、血液に粘度

を出して心疾患のリスクを高める。

 【多く含む食品】肉類の脂肪、バター、ラード、生クリーム・

         ホイップクリーム、乳製品、チョコレート、

         ケーキなど

 

●不飽和脂肪酸

 植物油や魚油・大豆油などに多く含まれ、主に常温で液体の脂

 質。一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸が

 ある。

 

・一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸

  血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らし、血液を

  サラサラにして血栓を防ぐ。特に青魚の油に多い多価不飽和

  脂肪酸は心疾患のリスクを下げるとされている。

  【多く含む食品】オリーブオイル、さんま、いわし、さば、

          大豆油、紅花油、ごま油

 

 ・トランス脂肪酸

  常温で液体の植物油に水素を添加して工業的に製造された脂

  質。LDL-C(悪玉)を増やすだけでなく、HDL(善玉)

  コレステロール(以下HDL-C)を減らし、動脈硬化など

  による心疾患のリスクを高める。

  【多く含む食品】マーガリン、ファットスプレット、ショー

          トニング、これらを使ったパン・ケーキ・

          ファストフードの揚げ物、カップ麺やスナ

          ック菓子、コーヒークリームなど

 

———————————————————-

★ コレステロールは悪いもの? ★

———————————————————-

コレステロールとは、ホルモンや細胞膜の材料となる身体にとっ

て欠かせない脂質の一種です。体内のコレステロールは卵などの

食物からも吸収されますが、多くは肝臓で合成され、血流に乗っ

て全身の組織に運ばれます。通常は、食事から摂取したコレステ

ロールの量によって合成量が調整され、体内のコレステロールの

恒常性が保たれていますが、中長期の生活習慣の悪影響によって

そのシステムが破綻すると、血液中のコレステロール値が高くな

ってきます。

そして、コレステロールは血液に溶けないため、特殊なたんぱく

質であるLDLやHDLなどの粒子に含まれて流れています。

 

・LDL-C(悪玉コレステロール)

  肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があるが、

  血液中に増えすぎると血管の壁に入り、こぶができる。その

  こぶが膨らむと動脈硬化を引き起こしたり、そのこぶが破れ

  て血栓(かさぶたの様なもの)が出来ると、ますます動脈硬

  化が進むことから、悪玉コレステロールと呼ばれている。

  

・HDL-C(善玉コレステロール)

  過剰なコレステロールを肝臓に戻す役割があり、血管の壁に

  溜まったコレステロールも抜き取って回収してくれる。動脈

  硬化の進行を抑えてくれる働きがあるため、善玉コレステロ

  ールと呼ばれている。

 

・中性脂肪との関係

  血液中に中性脂肪が増えすぎると、LDL-Cはさらに小型

  化し、血管壁の中に入り込みやすくなる。小型化したLDL

  -Cは超悪玉として、動脈硬化をいっそう進めてしまう。

 

———————————————————-

★ 食事と運動で動脈硬化を予防しよう ★

———————————————————-

動脈硬化を予防するため、LDL-Cや中性脂肪を減らし、HD

L-Cを増やして基準値内にしていくことが大切です。これらは、

生活習慣と密接に関わっているため、食事と運動の習慣を見直し

、出来ることから実行していきましょう。

 

・毎日の生活に運動を取り入れる(目標:1日1万歩・30分歩く)

・朝食を和食にする(バターやベーコン、卵の定期的な摂取を控

 える)

・魚、大豆製品を毎日1品は摂る

・乳製品(チーズ、アイスクリーム)は低脂肪食品を選ぶ

・野菜、海藻を毎日食べる

・バター、ラードよりサラダ油やドレッシングを選ぶ

・菓子パン、洋菓子、スナック菓子より和菓子を選ぶ   など

                          

脂質全体の量だけでなく、脂質の種類を考えて適量を摂り、極端

に偏った食べ方をしないように改善していきましょう。

 

———————————————————-

★ 最後に・・・ ★

———————————————————-

日本ではまだ表示の義務はありませんが、一部の国ではトランス

脂肪酸の栄養表示を義務づける動きがあります。脂質の種類への

理解を深め、必要に応じて生活習慣の改善に取り組んでいくこと

が大切ですね。また、その生活習慣の改善が身体にどう影響して

いるのか、健康診断を毎年受診し、経年で検査結果を確認してい

きましょう。

次回は、「油の種類」についてお伝えします。

                           以 上