健保からのお知らせ

2016/2/1

(健康づくりWEBかわら版2016年2月号) 『冬の転倒予防対策』

(転載)日本予防医学協会

    健康づくりWEBかわら版 2016年2月号より

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   備えよう!転ばぬ先の杖!  

         

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昨年、厚生労働省が「STOP!転倒災害プロジェクト2015」と題し

て、1年間転倒災害防止対策の働きかけを行っていたのをご存知

でしたか?その中で、重点取組期間を2月と6月に設定されてい

たのですが、実は2月は転倒災害が多発しているのです。

そこで今回は『冬の転倒予防対策』に関するお話です。

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★ 転倒災害プロジェクトの概要 ★

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転倒災害とは、仕事中や通勤時の転倒によって起きた災害のこと

を示します。この転倒災害は、4日以上休業した死傷災害全体の

2割以上を占め、災害の種類の中で最も件数が多くなっています。

特に高年齢労働者は転倒災害が発生した場合に、災害の程度が重

くなる傾向があります。

今後、労働人口の高齢化の進行が見込まれることから、事業所に

おける転倒災害防止対策の徹底により、安心して働ける職場環境

を実現するという目的により発足したプロジェクトです。

 

なお、冒頭に記載しましたが、このプロジェクトでは転倒災害が

多発する2月と、全国安全週間の準備月である6月を重点取組期

間と定めています。また冬期は、積雪や路面の凍結のため、転倒

災害が多く発生する傾向にあります。

 

そこで、この時期の通勤中やお仕事中の転倒予防のために、冬場

の滑りやすい場所や歩き方の工夫をご紹介していきたいと思いま

す。

 

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★ 冬場に滑りやすくなる場所 ★

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①圧雪(バスやタクシーの乗り場など)

踏み固められた雪のことで、表面のみ凍ってつるつるとした光沢

ができ、大変滑りやすい状態です。圧雪は、降雪が1cm以上あり、

雪が降った後早い時間(おおよそ24時間以内)に形成されます。

 

②アイスバーン

氷のようになった路面のことで、透明又は黒く見え、非常に滑り

やすい状態です。前日の最高気温が0℃未満の場合に出来やすい

路面凍結現象です。

 

③横断歩道の白線の上

白線部は、乾いているように見えても薄い氷膜が出来て、滑りや

すくなっている場合があります。

 

④車の出入り口のある歩道

出入りする車のタイヤで路面上の氷が磨かれ滑りやすくなります。

 

⑤坂道

坂道は、上るときよりも下るときのほうが、滑って転びやすくな

るため注意が必要です。

 

⑥ロードヒーティングの切れ目

雪や氷がとけず段差が出来ていたり、部分的に滑りやすい状態と

なることがあります。

 

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★ 積雪や路面凍結時の歩き方 ★

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①小さな歩幅で歩こう!

歩幅を小さくし、そろそろと歩く「ペンギン歩き」がオススメで

す。身体の揺れが小さくなり転びにくくなります。

 

②靴の裏全体を路面につける!

身体の重心をやや前に置き、出来るだけ靴の裏全体を路面につけ

る気持ちで歩きましょう。

 

③適した靴を選ぶ!

靴底に滑り止め剤が入っているものや、ピン・金具付きのもの、

溝の深いものなどがオススメです。

 

④その他

・手をポケットに入れて歩かないよう手袋を着用する

・携帯電話を使用しながら歩かない

・荷物で両手をふさがないようリュックを使う

 

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★ 転倒予防は国民的課題 ★

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今回は、冬期の通勤や職場での転倒災害予防について紹介してき

ましたが、日常生活の中においても、転倒予防は大きな課題とな

っています。

 

実は人口動態調査によると、転倒・転落での死亡数は、交通事故

での死亡数を上回っています。

また、平成25年度の国民生活基礎調査によると、介護が必要とな

った原因は「脳血管疾患」「認知症」が最も多くなっています。

一方で、「関節疾患」「骨折・転倒」という身体や筋肉の機能低

下が介護の原因になるケースも、実に5人に1人の割合となって

きているのです。

 

加齢によって筋肉量は減少しやすく、バランス感覚や反射能力、

視覚での認識力など運動機能も低下し、わずかなところでつまづ

いてしまったり、転倒しやすくなってきます。

そこで、まずは日頃から歩くように心がける、テレビを見ながら

ストレッチを行う、歯磨きをしながらかかとの上げ下げを行うな

ど、日常生活の中で運動機能の低下を予防していくことも大切で

すね。

 

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★ 最後に・・・ ★

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今季は暖冬と言われていますが、いつまた強い寒波がやってくる

か分かりません。日頃から天気予報に気を配り、寒波が予想され

ている場合には、滑りやすい場所に融雪剤の散布を行うなどの対

応もしておきましょう。また、時間に余裕を持って動き、場合に

よっては、不必要な外出を控えるなどの判断も時には必要です。

さらに「備えあって憂いなし」。まずは日頃から運動や活動を取

り入れて身体機能を維持していくことも大切ですね。

                          以 上