健保からのお知らせ
2015/4/1
(健康づくりWEBかわら版2015年4月号) 「サルコペニア」<筋肉が減少していく老化現象>について ー新時代の肥満
(転載)日本予防医学協会
健康づくりWEBかわら版 2015年4月号より
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
健康を保つ筋肉について
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
突然ですが、年齢を重ねるにつれて、筋肉の衰えや、身体を
動かすことについて億劫に感じることはありませんか?
筋肉が減少していく老化現象を「サルコペニア」と言いますが、
この現象は健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
そこで今回は『サルコペニア』に関するお話です。
———————————————————-
★ サルコペニアについて ★
———————————————————-
サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉の量や機能の低下のことを
いいます。病気や事故などに関係なく、個人差はあるものの、
誰にでも起こりうるものです。筋肉量の低下は25~30歳頃から
徐々に始まり、進行します。
主に活動量の低下が原因とされていますが、そのメカニズムに
ついてはいまだ完全には解明されていません。
ただし、筋肉トレーニングによって筋肉の量や機能を向上し、
サルコペニアの進行の程度を抑えることは可能とされており、
高齢になってからの筋肉トレーニングにおいても、効果が得ら
れることが分かっています。
似たような単語に「ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)」が
ありますが、これは「運動器の障害による要介護の状態や要介護
リスクの高い状態」のことをいうため、サルコペニアの方がより
広義で使用されている言葉になります。
———————————————————-
★ 筋肉量の減少が健康に及ぼす影響 ★
———————————————————-
加齢によって減りやすいとされる筋肉は、一般的に腹筋や大腿部
(太もも)といわれています。これらの筋肉は歩いたり、姿勢を
保つために必要な筋肉であるため、筋肉量が低下することで、
立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、座って過ごす時間が
長くなる傾向があります。座って過ごす時間が長くなることで、
筋肉がより使われなくなるため、更に衰えていきます。
また、筋肉は代謝に深く関わっています。そのため、筋肉の量が
減少すると、代謝が落ちて肥満につながりやすくなったり、糖尿
病などの生活習慣病の発症リスクを高めてしまいます。
更には、日本における死亡のリスク要因を調べた調査では、喫煙、
高血圧に続いて3番目に運動不足が挙がっています。
これらのことから、いかに動いて筋肉の量や機能を維持・向上
させることが大事か、ということが言えますね。
———————————————————-
★ 筋肉の量や機能を維持・向上させるために ★
———————————————————-
それでは、筋肉の量や機能を維持・向上させるためにはどのように
すれば良いでしょうか。
【運動面】
《1日を通して座っていることが多い場合》
まずは座っている時間を少しでも短くし、活動量を上げましょう。
例えば、
●立って行う家事を増やす(立って洗濯物をたたむなど)
●近場の外出には車ではなく徒歩や自転車にする
●徒歩で外出する時には、普段より片道5分程度遠回りする
●散歩する
●歩く際には大股・早歩きを意識する
●エスカレーターやエレベーターではなく積極的に階段を使う
●室内でもできる腹筋トレーニングや階段昇降などを
あいた時間に行う
・・・・・・など
《既に筋力トレーニング・有酸素運動を行っている場合》
筋力トレーニングと有酸素運動の併用は、より筋肉の量や機能を
維持するために効果的との見方が示されています。
既にどちらか一方の運動を実施されている場合には、それに
プラスして行っていない方の運動を実施してみましょう。
サルコペニアを予防する筋力トレーニングとしては、特に腹筋や
大殿筋(だいでんきん:おしりの筋肉)、太ももの筋肉を鍛える
トレーニングがお勧めです。
【食事面】
筋肉の量や機能を維持・向上するためには、運動だけでなく、
バランスの良い食事も大切です。炭水化物、脂質、たんぱく質、
どれも過不足なく3食の食事の中で摂取するよう心がけましょう。
また運動の実施にはビタミンやミネラルも大切な要素です。
積極的な野菜の摂取や適度な果物の摂取も行っていきたいですね。
———————————————————-
★ 最後に・・・ ★
———————————————————-
超高齢社会に突入したわが国では、介護予防や健康寿命の延長
などの観点から、今後ますます「サルコペニア」が重要視され
るようになるでしょう。
いきいきと自立した生活が少しでも長く送れるよう、食事・運動の
両面で良い習慣を築いていきたいですね。
以 上
健保事務局より
サルコペニア肥満のチェック方法
下記の3つのチェック方法を試してみましょう。
※腰痛など持病がある方は、無理して行わず注意してください。
※転倒などに気を付けて行ってください。
(1)椅子に座った状態で手を胸の前で組み、利き脚を使い片足で
立ち上がりましょう。
立ち上げれない場合や、手が胸から離れた場合は失敗です。
(2)片足で立った状態で、靴下を履きましょう。
足をまっすぐ上げ、両手の間に入れるように行いましょう。
(3)片足で60秒間立ちましょう。手は腰に、足は床から10cmほど上げます。
ふらついたり、動作が行えなかった場合は、要注意です。
http://hicbc.com/tv/genki/archive/131215/ CBCテレビ「げんきの時間」より参照)