健保からのお知らせ

2022/2/1

(健康づくりWEBかわら版2022年2月号)在宅勤務とパソコン作業

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2022年2月号より
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   テレワークの極意
         
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内閣府が推進してきた情報社会(Society 4.0)の実現と、コロ
ナ禍も相まって、働き方にも変化が生まれてきています。
今では何らかの形で毎日の仕事に情報機器類(パソコンやタブレ
ットなど)を使用する方が大半だと思います。
これらの情報機器を操作するような作業では、心身への影響がよ
く知られています。特に、機器を操作する作業環境や作業姿勢等
で心身への様々な影響が発生すると言われています。
そこで今回は『在宅勤務とパソコン作業』に関するお話です。

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★ 情報機器操作のガイドライン ★
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従来、パソコンなどの機器を使用する作業の労働衛生管理につい
ては、厚生労働省より「VDT作業における労働衛生管理のための
ガイドラインについて」が示されていましたが、令和元年7月付
で「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
に改訂されました。
この背景には、冒頭にお示したような情報社会の確立に伴って、
ハード・ソフト両面の技術革新が進んだことにより、パソコンだ
けでなくタブレットやスマートフォンなどを使用した作業を行う
方が増えたことが挙げられます。
このガイドラインには、作業による疲労、目(視覚)への影響、
肩こりや腰痛など(筋骨格系疾病)への影響、メンタルヘルスな
どのリスクを低減するためのヒントが数多く示されています。
それらのヒントとは、大まかに言えば、作業を行う際の環境に関
するもの(作業環境管理)や作業を行う条件に関するもの(作業
管理)、健康の維持に必要なもの(健康管理)に分けることがで
きます。
昨今のコロナ禍において、在宅勤務となった方も多くいらっしゃ
ると思いますが、このガイドラインのヒントに沿ってご自身の作
業する環境を今一度見直してみましょう!

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★ 在宅勤務での作業あるある ★
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同じパソコンを使用する作業でも、会社の中で使い慣れた机と椅
子に座って行う作業と自宅の机と椅子では目や体の疲れ方が違い
ませんか?この疲労感は机と椅子が変わったことによって作業す
る姿勢(作業姿勢)が変化したことや、自宅の照明の明るさ(照
度)、窓のブラインドの有無などが関係しています。以下の項目
は、在宅勤務における作業環境と作業姿勢あるあるを集めたもの
です。当てはまる項目はありませんか?

●椅子が無いので、床に座って作業をしている
●ソファに座って作業をしている
●横になってタブレットやスマホで作業している
●節電のため照明は暗めにしている
●つい作業に集中して時間を忘れてしまう
●自宅から殆ど出ていない

これらの項目に当てはまるものがあれば、作業による疲労感が大
きくなることがあります。早めに改善していきましょう!

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★ どんなことに気を付けたらいいの? ★
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情報機器を操作する作業で起こりやすいとされている身体症状に
は、眼精疲労、肩こりや腰痛、指の痛みなどがあります。
これらの症状は、作業姿勢や作業時間、身体活動量と密接な関係
があることが既に明らかになっています。
在宅勤務で大切なことは、適切な作業姿勢、適度な休憩、身体活
動量を保つということです。特に、在宅勤務では通勤がなくなる
ことで、以前よりも歩数が大幅に減少している方が多いのではな
いでしょうか?自主的に散歩するなど三密を避けた適度な身体活
動を心がけましょう。
自宅でできそうな工夫を以下にまとめてみました。少し工夫する
だけで、体の疲れ方が変わりますので一つでも多く取り組んでみ
てください。

●作業する姿勢や環境に関する工夫
・作業時の肘と膝の角度が90度になるように机と椅子の高さを
 調整する
・座った時に足の裏全面が床につくように椅子を調整する
・なるべく背もたれのある椅子を使用する
 (但し、ソファは腰が沈み込んで背中が丸くなるのでNG)
・椅子が無い時は、壁によりかかって背もたれ代わりに使用する
・パソコンの下に本などを置いて目線の高さを調整する
・パソコン画面と目の距離は40㎝以上とる
・タブレットなどの作業では外付けキーボードを使用する
・適度に明るい照明を使用する

●作業を継続する時間に関する工夫
・目の疲労軽減のため20分に1回は立ち上がって窓の外など
 遠くを見つめる(20秒位でOK)
・作業の継続時間は1時間までにして小休憩をとる
・小休憩は10~15分程度を目安にする

●こまめに体を動かす工夫
・小休憩の際には簡単な体操やストレッチを実施する
・浮いた通勤時間で散歩など外出して気分をリフレッシュする
・テレビで決まった時間に放送されている体操などを実施する

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★ 最後に・・・ ★
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いくつか取り組めそうな内容はありましたか?
在宅勤務では作業する環境や作業する姿勢に配慮して健康を維持
していきましょう。また、座りっぱなしにより身体の活動量が低
下することで、様々な病気のリスクが上昇することが既に明らか
になっています。在宅勤務では、以前よりも身体活動量が減少し
ていることを踏まえて、自主的に運動する時間を作ることが肝要
です。様々な工夫をして在宅勤務を乗り切りましょう!

 

※今回の記事は次の論文や資料を参考に作成しました。
厚生労働省通達(令和元年7月12 日 基発0712第3号)
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/000707132.pdf
・(一社)日本人間工学会、榎原毅・松田文子(訳)「タブレッ
ト・スマートフォンなどを用いて在宅ワーク/在宅学習を行う際
に実践したい7つの人間工学ヒント」日本人間工学会、2020
                       以 上