健保からのお知らせ

2021/10/1

(健康づくりWEBかわら版2021年10月号) 『糖との付き合い方』

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2021年10月号より
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食欲の秋!糖質は減らしすぎない!
         
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近年、炭水化物を全く食べないという極端なダイエットが流行し
ています。『糖質制限で痩せた!』という経験をなさった方も少
なからずいらっしゃると思います。
糖質でも脂質でも減らせば体重は減ります。しかし、糖質を制限
すると、糖質だけでなく一緒に存在していた水分も失われて、数
字上の体重が減ったように見えるのです。
短時間で一時的に体重が落ちますが、その後の糖の吸収が活発化
するためリバウンドもしやすくなります。
そこで今回は、『糖との付き合い方』に関するお話です。

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★ 気を付けたい!摂りすぎ!摂らなすぎ! ★
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糖質を摂取すると体内で代謝され、ブドウ糖に分解後、吸収され
ます。吸収されて血液中に入ったブドウ糖を「血糖」と呼び、そ
の量を表す数値を「血糖値」といいます。

■糖質を摂りすぎると…
エネルギーとして消費されなかった糖質が中性脂肪として蓄積さ
れ、肥満や生活習慣病の原因になると言われています。
糖質が多い食事をとると、血糖値が急激に上昇します。通常であ
れば、食後2~3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、糖質
を摂りすぎたり血糖値を急上昇させるような食べ方をすると、血
糖値がうまく下がらなくなります。そして、この状態が長く続く
と血管が傷ついて動脈硬化を引き起こし、糖尿病など様々な病気
を発症する危険が高まります。

■糖質を摂らなすぎると…
エネルギーが不足して疲れやすくなります。また、糖質の不足分
を補うためにタンパク質がエネルギー源として使われることで、
筋肉量が減少し、かえって基礎代謝を低下させる原因にもなりか
ねません。
ブドウ糖は脳にとって最大のエネルギー源です。糖質が不足して
ブドウ糖が十分に届けられなくなると、脳の働きを妨げ、集中力
の低下や最悪の場合には昏睡状態になるなどとても危険です。

※高血糖に関しましては「健康づくりかわら版」2019年11月号も
 ご覧ください。
“決して甘くはない、高血糖!”
URL:https://www.jpm1960.org/kawara/kawaraban/post-38.html

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★ 糖質の種類と吸収 ★
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糖質は種類によって構造が異なり、それによって吸収までの時間
も様々です。食べてから糖質が吸収されるまでに時間がかかると、
それだけ血糖値の上昇スピードは緩やかになります。
この血糖値の乱降下を抑えることが高血糖を始め、動脈硬化や糖
尿病など様々な病気の予防に繋がります。
食事の際は吸収のスピードがゆっくりなものを選ぶようにしたり、
先に食べるようにしましょう。

┌────────┬─────────┬─────────┐
│   速い   │←吸収のスピード→│  ゆっくり   │
├────────┼─────────┼─────────┤
│  単糖類   │   少糖類   │  多糖類    │
├────────┼─────────┼─────────┤
│穀類、果物   │砂糖、さとうきび │穀類、芋類、豆類 │
│根菜類、はちみつ│てんさい、牛乳  │日本酒、味噌、醤油│
│牛乳、ヨーグルト│母乳、麦芽    │貝類、レバーなど │
│トマトなど   │さつまいも    │         │
│        │水あめなど    │         │
└────────┴─────────┴─────────┘

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★ 血糖値の上昇スピードを緩やかにするためには? ★
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■穀類
主食は下記のような食品を選ぶようにしましょう。

ご飯→玄米、雑穀米、麦飯
パン→全粒粉パン、ライ麦パン
麺→そば、全粒粉パスタ

ご飯であれば白米に雑穀米ミックスやもち麦などを混ぜることか
らチャレンジしてみましょう。玄米や雑穀米が苦手な方は寒天パ
ウダーを混ぜることでも食物繊維を摂ることが出来ます。
また、主食を豆や芋に代えるのもおすすめです。特に豆は、穀類
に比べて食物繊維が多く、たんぱく質やミネラルも豊富なため糖
質を控えたいときに主食の代わりに積極的に摂ると良いでしょう。

また、ラーメンとチャーハンなど炭水化物同士の組み合わせは急
激に血糖値を上昇させるため注意が必要です。炭水化物の前に食
物繊維が豊富な葉ものの野菜を先に食べ、血糖値の上昇を緩やか
にするようにしましょう。

日本人の食事摂取基準(2020)での1日に食事から摂取する栄養素
のエネルギー比率は下記の通りです。
炭水化物:50~65% 脂質:20~30% たんぱく質:13~20%
【男性】1日の目安…ご飯3~4杯、食パン(6枚切り)5~7枚
【女性】1日の目安…ご飯2~3杯 、食パン(6枚切り)4~5枚
※18~69歳の運動量が低い~普通レベルの方の目安です。
 
■果物
<血糖値を上げやすい果物>
ぶどう、パイナップル、マンゴー、バナナ、柑橘類、柿など

<血糖値を上げにくい果物>
キウイ、りんご、なし、ベリー類など

ビタミンや食物繊維なども摂れる果物は間食にも最適です。血糖
値を上げやすい果物は食後に食べるか、ヨーグルトなどと一緒に
食べるよう心がけましょう。

■菓子類
砂糖は空腹時に摂取するとすぐに血糖値を上げます。砂糖入りの
お菓子や飲料にはヨーグルトやチーズなどのタンパク質や脂質の
多いナッツなどを組み合わせて食べるようにしましょう。血糖値
の上昇スピードが緩やかになり腹持ちも良くなります。

1日の間食の目安である200kcalの例
菓子:クッキー4~5枚、板チョコ1/2枚、ショートケーキ1/2個
果物:キウイ5個(200kcal)、りんご1個(160kcal)

■飲料類
果物ジュースは果汁100%でも搾汁などの工程を経て食物繊維の含
有量が減少しています。そのため、血糖値の上昇を緩やかにする
という食物繊維本来の効果が十分に得られません。また、生の果
実と比べて咀嚼・嚥下の手間がかからず飲み過ぎる傾向にありま
す。飲む前に量を決めておき、飲みすぎないように注意しましょ
う。選べるようであれば果皮や繊維の残るスムージーがオススメ
です。
さらに、果汁100%ではない清涼飲料水は甘味料が加えられている
ため注意が必要です。

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★ 最後に・・・ ★
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現状で糖質を摂りすぎている人はある程度減らす必要があります
が、極端な制限はリスクを伴います。
全く食べない!ではなく、食べる順番に気をつけたり、血糖値が
緩やかに上昇する食品を選ぶようにするなどで、上手く糖と付き
合っていきましょう!

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。

・厚生労働省 e-ヘルスネット 血糖値【2021年9月10日閲覧】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-085.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット 炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)由田克士【2021年9月10日閲覧】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)【2021年9月10日閲覧】
                       以上