健保からのお知らせ

2021/11/1

(健康づくりWEBかわら版2021年11月号)『お酒』 ~できていますか? (×)酔い (〇)良い お付き合い~

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2021年11月号より
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  できていますか? (×)酔い (〇)良い お付き合い

         
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良い付き合いや友好関係を築く時には、相手をよく知るというこ
とが大切ですね。お酒との付き合いもまた然りです。
新型コロナウイルス感染症の拡大から、お家でお酒を楽しむ時間
が増えた!という方もいらっしゃるかもしれませんね。
お酒のことをしっかり理解し、健康的な良い付き合い方を考えて
みませんか?
そこで今月は『お酒』に関するお話です。
 
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★ 飲んでいるアルコール量、あなたはどれくらい? ★
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酒類とは、アルコール分1度以上の飲料のことを指します。
 (薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの、
 または溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる
 粉末状のものを含む)【酒税法第2条第1項】

お酒には製法や原料も様々で、アルコールの度数も色々あります。
健康という視点で考えた時にポイントとなるのは、飲んでいるお
酒の量ではなく、飲んでいる「アルコールの量」です。
そこでまずは、ご自身の日々飲まれている「純アルコール量」を
調べてみましょう!

純アルコール量(g)=酒の量(ml) × 度数[%] × 比重 (0.8)

 

例)5%のビール 中ビンまたはロング缶1本(500ml) 
      500ml×0.05×0.8=20g
  7%の酎ハイ レギュラー缶1本(350ml) 19.6g
  9%の酎ハイ レギュラー缶1本(350ml) 25.2g
  ワイン(12%) ワイングラス1杯(120ml) 11.5g
  日本酒(15%) 1合(180ml)  21.6g

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★ 適切な飲酒量ってどのくらい? ★
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厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は1日平均の純
アルコール量で『20g程度』です。ビールは中ビン1本、7%酎
ハイ・レギュラー缶1本、ワイングラス2杯程度が『20g』相当
となりますね。9%酎ハイ(いわゆるストロング系)は、レギュラ
ー缶1本で適切な飲酒量を超えてしまいます。

一方、アルコールの代謝能力が低いとされている女性や高齢者、
飲酒後に顔面紅潮・動悸・頭痛などのフラッシング反応を起こす
人は、半分の『10g程度』が推奨されています。

では、アルコールの摂取量が多すぎた場合、体や心にどんな影響
があるのでしょうか?一部ですが書き出してみました。アルコー
ルは全身に影響があることが分かっていただけるかと思います。

【肝臓】 脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がん
【膵臓】 膵炎、糖尿病
【循環器】高血圧、脂質異常症、冠血管疾患、心不全、脳梗塞 
【脳】  脳委縮、認知症
【がん】 口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、乳房
【メンタルヘルス】  うつ病、アルコール依存症
【その他】メタボリックシンドローム、痛風

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★ ここが肝! お酒の代謝に注目 ★
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《吸収》
アルコールは胃や小腸で『消化を受けることなく吸収』されます。
全般的に吸収は早く、飲酒後1~2時間でほぼ吸収されます。
手術等で胃が切除されている場合や、空腹時に飲酒をすると、ア
ルコールが胃を素通りして小腸に流れ込みます。胃よりも小腸の
ほうが吸収が速いため、血中濃度の上昇がさらに速くなるといわ
れています。

《分解》
胃・小腸から吸収されたアルコールの大部分は肝臓で分解されま
す。肝臓は様々な代謝を担っている体にとって重要な臓器、まさ
に「肝」なのです。
多量のお酒を休肝日なく毎日飲んでいると、脂肪肝や肝炎、肝硬
変をきたすことに。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
症状が出てからではすでに手遅れという場合もあります。

なお、アルコールは分解の過程でアセトアルデヒド⇒酢酸となり
ます。このアセトアルデヒドの分解に必要な2型アルデヒド脱水
素酵素は、遺伝的に3タイプがあります。
 1.普通に働くタイプ(活性型)
 2.活性型に比べて分解が非常に遅いタイプ(低活性型)
 3.全く働かないタイプ(非活性型)

日本人の約半数は2や3の働きの弱いタイプと言われ、飲酒後、
血液中のアセトアルデヒドの濃度が上がることで、フラッシング
反応を引き起こします。このような方は、アルコールの分解が遅
く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。

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★ お酒と脳との深ーい関係性 ★
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「酔う」ということ脳(中枢神経)には深い関係があります。
アルコールの血中濃度が低いと気持ちをリラックスさせる、会話
を増やすなどの効果があると考えられています。
一方、ある程度の濃度を越えると鎮静効果の方が強くなり、小脳
の機能が低下します。すると、呂律が回らない・まっすぐ歩けな
いといった運動機能の障害が現れれます。俗にいう千鳥足です。
さらに濃度が高まると意識障害を起こして死に至ることも。

フラッシング反応を示さない人でも、すぐに酔ってしまう人もい
ます。これは脳のアルコールに対する感受性の違いによるものと
言われています。
また、飲酒を続けるとお酒に強くなります。その多くは脳の神経
細胞が機能変化を起こし感受性が下がる=耐性がつくからと考え
られています。感受性が低く飲み始めからお酒に強い人はアルコ
ール依存症のリスクが高いともいわれています。

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★ お酒との「良い」お付き合いの方法 ★
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●アルコール量は1日20g以下に
  (女性・高齢者・フラッシング反応が起きる人は10g以下)
●お酒は食事と一緒にゆっくり楽しもう
●寝酒は極力控えて
  アルコールは寝つきは良くなるが、夜中に目覚めてその後な
  かなか眠れなくなり、睡眠の質を下げてしまいます。
●週に2日は休肝日を!
●薬の治療中、妊娠・授乳中は飲まない
  アルコールは薬の効果を強くしたり、逆に弱めたりします。
  また、妊娠中や授乳中は赤ちゃんの成長を妨げてしまう場合も。
●入浴・運動・仕事前も飲まない
  飲酒後の入浴や運動は、血圧の変動を大きくしたり不整脈の
  リスクが。事故やケガ予防の観点からも控えましょう。
●定期的に健康のチェックを!
  健康診断やがん検診をしっかり受けるようにしましょう。
  飲酒量が明らかに多い、飲み方が気になる、もしかして依存
  症?気になる方は以下のテストでチェックしてみましょう。
   ↓   ↓
 厚生労働省 e-ヘルスネット
 新久里浜式アルコール症スクリーニングテスト/新KAST
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-026.html
 
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★ 最後に・・・ ★
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お酒は、1日の終わりにリラックスできたり、食事や会話を楽し
む時間をもたらしてくれることがあります。
だからと言って、たくさんの量を毎日飲むことは、デメリットや
リスクを伴います。お酒を知り、お酒に呑まれず、心や体にとっ
て、良いお付き合いをしていくことが大切です。
クリスマスやお正月など、季節ごとのイベントも増える時期。
お酒と長く良い付き合いができるよう、いま一度振り返ってみて
くださいね。

 

今回の記事は次の資料を引用・参考にして作成いたしました。

【厚生労働省e-ヘルスネット】 (最終閲覧:2021年10月18日)
・アルコールによる健康障害
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-01
・アルコールの基礎知識
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-02
・ライフサイクルと飲酒
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-04
・飲酒のガイドライン 樋口進
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-003.html
・我が国の飲酒パターンとあるコース関連問題の推移 真栄里仁
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-001.html
・アルコールと認知症 松下幸生
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-007.html
・アルコールと肝臓病 丸山勝也
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-002.html

【厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査の概要】
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

                             以上