健保からのお知らせ
2021/8/2
(健康づくりWEBかわら版2021年8月号) 『健康とICT』について
(転載)日本予防医学協会
健康づくりWEBかわら版 2021年8月号より
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ニューノーマルから考える、働き方とICTと健康
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、当たり前だった日常を
「変える」ことが求められ、“新しい生活様式”や“ニューノー
マル(新常態)”という言葉を耳にするようになりました。
その中の1つ1つに「働き方」があります。
コロナ禍以前より働き方改革が推進されてはいましたが、Withコ
ロナによる感染リスク低減のために、テレワークの推進がさらに
推奨されるようになりました。
この働き方には、ICTの活用が必要不可欠です。
そこで、今月はニューノーマルな働き方に関するあるアンケート
調査の結果とともに、『健康とICT』に関するお話です。
———————————————————-
★ コロナ禍における働き方とその質の変化に注目 ★
———————————————————-
九州・福岡健康経営推進協議会※で2020年10月に実施したアンケ
ート調査では、209名の回答を得ました。
新型コロナ感染症拡大前後で、7割が働き方の変化を感じており、
その中の半数が働き方の変化の質が良くなったと回答されていま
した。
また、調査の中で、“出張が減り時間が取れるようになった”
“通勤にかかる時間が減った”“家庭の条件に合わせて仕事がし
やすくなった”という声が聞かれ、時間の使い方や働き方に余裕
が生まれ効率化が図れているようです。
一方、“オンラインの方法を新たに覚える必要がある”“これま
で通りの働き方ができなくなった”など、業務を遂行するために
新たな方法を覚えることが求められ、ルーティン化されていた業
務をコロナ禍の状況に合わせて対応しなければならないことへの
負担感もあるようでした。
さらには、働き方の変化が個人と組織のパフォーマンス改善に十
分につながっていない可能性や、先行きのみえないコロナ禍への
対応は、個人の対応力に依存する部分が感染拡大初期には大きか
ったことも示唆されました。
※九州・福岡健康経営推進協議会について
https://kyushu.kenkokeiei.org/
———————————————————-
★ 長引くコロナ禍、ICT活用の中での健康を考える ★
———————————————————-
『ニューノーマルな働き方』は、ICT活用に伴い、時間の効率化や
時間の使い方に変化が生まれた反面、新たな作業や業務が生じた
ことによって、プラスもマイナスももたらしたといえます。
コロナ禍でのICTと健康との関係性も同じかもしれません。
健康への影響を考えてみると、例えば、眼精疲労や視力低下、腰
痛に肩こり、活動量低下、肥満や生活習慣病リスク。
また、人との接触を減らすための生活は、「つながり」が少なく
なることで、心への影響も少なからずあるように感じます。
さらには、危機的状況下においては、インフォデミックのリスク
が高まることも。
※インフォデミックとは・・・
information(情報)とepidemic(伝染病)から作られた言葉。
信頼性の高い情報とそうでない情報が入り混じり、不安や
恐怖と共に急激に拡散され混乱をきたす状況のこと。1)
そこで、ICTとは健康のことも意識しながら上手に付き合っていけ
ることが大切ですね。
———————————————————-
★ 健康的にICTと付き合うために・・・ ★
———————————————————-
その1:規則的な生活リズムと活動量維持の工夫を!
動画を活用し体操や運動をする、調べた料理レシピにチャレ
ンジする、夜は心が落ち着く音楽をかけるなど・・・
ICTをうまく活用してメリハリをつけて過ごしてみませんか?
寝る直前までの携帯電話やパソコン使用は、睡眠の質を低下さ
せる原因になりやすいので就寝前は使用を控えましょう。
その2:ヘルスリテラシーを高めよう!
「ヘルスリテラシー」とは、健康に関する様々な情報を入手し、
理解し、活用する能力のことです。2)
インターネットやメディアなど、たくさんの情報から正確で自
分に適した情報を得て、自身の健康管理や予防に役立てていけ
る、そんな力が求められています。
質の高い健康情報を得るための参考に!
↓ ↓
ヘルスリテラシー 健康を決める力 https://www.healthliteracy.jp/
その3:「つながり」も大切に!
ソーシャルディスタンス、テレワークの推進などの感染予防対
策で、コミュニケーションが減少し、メンタルヘルスへの影響
が危惧されています。
ICTは上手に活用すれば、いつでもどこからでも気軽に人とつ
ながることができます。コミュニケーションツールを活用し、
定期的なWEBミーティングや家族や友人とのリアルタイムでの
つながりを積極的に取り入れてみましょう。つながることに対
して限定的、回避的になっていないか振り返ってみる機会をも
つことも大切かもしれません。
コロナ禍で不安やストレスについてはこちらも参考に。
↓ ↓
こころの耳 新型コロナウイルス感染症対策(こころのケア)
https://kokoro.mhlw.go.jp/etc/coronavirus_info/
その4:ICTを使用する環境を整えよう!
部屋の照度やディスプレイの明るさも調整しましょう。
また、椅子には深く腰をかけ、背もたれに背を十分にあて、足
裏全体が床につくような姿勢が理想です。
作業中は小まめに休憩をとり、作業が長時間にならないように
気をつけましょう。
———————————————————-
★ 最後に・・・ ★
———————————————————-
ICTの活用は、新型コロナの感染拡大をひとつの契機として、今
後ますます積極的に活用されていくと考えられます。
その流れで、働き方だけではなく、健康や生き方に関する捉え方
も変化していくのではないかと考えられます。
ツール(方法)の変化に合わせて、ルーツ(根源の意味)も柔軟
に変化させていくことでニューノーマルが形作られていくのかも
しれません。
今回の記事は次の資料を引用・参考にして作成いたしました。
・厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000580827.pdf
・厚生労働省 自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html【2021年7月7日閲覧】
・厚生労働省eJIM『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
医療者と患者のコミュニケーション:ヘルスリテラシーを手がかりにして
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c01/01.html【2021年7月21日閲覧】
1)総務省HP 令和2年情報通信白書
第2章 第3節 新型コロナウイルス感染症が社会にもたらす影響
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd123100.html
2)厚生労働省委託 母性健康管理サイト 女性に優しい職場づくりナビ
【特集】専門家コラム ヘルスリテラシーを高めよう
東京家政大学 家政学部 栄養学科 公衆衛生学研究所 野原理子
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/colum/colum33.html
以 上