健保からのお知らせ

2021/2/1

(健康づくりWEBかわら版2021年2月号) 睡眠について

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2021年2月号より
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  しっかり眠って健康に!

         
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2月は全国生活習慣病予防月間です。
生活習慣病を予防するために必要なことと聞くと、何を思い浮か
べますか?食事、運動、禁煙、減量…どれも大切なことですが、
実は睡眠も大切な要素の一つです。

私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。人生の多くの時間
を費やす睡眠を快適にするためには、何をすればよいのでしょう
か?

そこで今回は『睡眠』に関するお話です。

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★ 睡眠不足で生活習慣病になるの? ★
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慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退などを引
き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも
大きな影響を及ぼすことが知られています。

睡眠が不足した場合、レプチン(食欲を抑えるホルモン)の分泌
が減少し、逆にグレリン(食欲を高めるホルモン)の分泌が亢進
するため、食欲が増大することが分かっています。そのため、睡
眠不足は食べ過ぎを招き、肥満の原因となります。肥満は生活習
慣病とも深く関係しています。

また、睡眠不足の状態は、交感神経の緊張や糖質コルチコイド
(血糖を上昇させるホルモン)の過剰分泌などを招くといわれて
おり、慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞・狭心症
などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らか
になっています。

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★ 今、睡眠で問題になっていること ★
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日本人の睡眠時間は過去20年間にわたり減少を続けています。
また、睡眠不足だけでなく、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの
睡眠の病気(睡眠障害)の増加も問題となっています。

睡眠不足や睡眠障害による休養不足はこころと身体に大きな影響
をもたらします。病気はもちろんですが、短時間睡眠や不眠が続
くと、日中の強い眠気、作業能率や注意力の低下などが出現し、
人為的ミスの危険性を増大させます。
私たちが起きている時間のなかで充分に覚醒して行うことができ
る時間は12時間~13時間程度であり、連続して15時間以上起きて
いる状態は「酒気帯びの状態」と同程度の作業能力になることが
知られています。

色々と工夫をしても睡眠の改善効果がないときや、不眠・日中の
眠気が1ヶ月以上続くときには、何らかの睡眠障害の可能性も考
え、睡眠外来などへ相談するようにしましょう。

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★ 快適な睡眠のために気を付けることは? ★
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「快適に眠りたい!」こんなときには、何に気を付けるとよいの
でしょうか?生活の中で気を付けることを紹介します。

●規則正しい生活を送る
体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングを決めるだけでは
なく、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に
備えてくれます。
快適な睡眠を得るためには、布団に入る時間や食事の時間などを
毎日なるべく一定にし、体内時計を整えることが大切です。

●運動習慣をもつ
運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。
運動は1回だけでは効果が弱く、習慣的に続けることが重要です。
ただし、激しい運動は逆に睡眠を妨げますので、負担が少なく長
続きするような有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)
が効果的です。
なかでも効果的なのは夕方から夜(就寝の3時間くらい前)の運
動です。眠気は体温が上昇した後、下降するときに生じやすいと
いわれているため、就寝の数時間前の運動によって体温を上げる
ことがポイントです。

●お風呂に入る
運動と同じく、体温を上げ、眠気を生じやすくする効果がありま
す。深い睡眠をとるには就寝直前の入浴が良いとされていますが、
寝付きを悪くしてしまう心配があります。寝付きを優先させると、
就寝の2~3時間前の入浴が理想です。

●光で体内時計を整える
光の効果は体内時計を24時間に調節することにあります。ヒトの
体内時計の周期は24時間より長めにできているため、長めの体内
時計を毎日早めてあげないと、ずるずると生活が後ろにずれてし
まいます。
朝の光には後ろにずれる時計を早める作用があります。起床直後
の光が最も効果的なので、起きたらまずカーテンを開けて自然の
光を部屋の中に取り込みましょう。

なお、朝の光と反対で夜の光は体内時計を遅らせる力があり、夜
が更けるほどその力は強くなります。就寝前には強い光を浴びる
ことをさけ、照明を暖色系の明かりにするなど工夫しましょう。
また、スマートフォン、パソコンなどのブルーライトも交感神経
を刺激し眠りを妨げることがあるため、できるだけ避けるように
しましょう。

●時間によって食べるものを工夫する
しっかり朝食をとることは朝の目覚めを促します。それによって
自律神経にめりはりがつき、睡眠の覚醒のリズムも整いやすくな
ります。一方、就寝間近の夕食や夜食は、消化活動が睡眠を妨げ
るため、出来るだけ控えましょう。
また、コーヒー・緑茶などカフェインが含まれる飲食物は覚醒作
用があります。敏感な人は就寝の5~6時間前からできるだけカ
フェインを摂取しないようにし、ノンカフェイン飲料にしてみま
しょう。

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★ 最後に・・・ ★
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睡眠は休養だけではなく、記憶・気分調節・免疫機能の増強など、
私たちのこころと身体のさまざまな機能に関連しており、しっか
り眠ることは健康の基本です。
最も身近な生活習慣である睡眠にも目を向け、快適な毎日を送り
ましょう。

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。
・「平成28年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)
  http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf
・睡眠と生活習慣病との深い関係,eヘルスネット,厚生労働省
  https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
・健やかな眠りの意義,eヘルスネット,厚生労働省
  https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-001.html
・快眠と生活習慣,eヘルスネット,厚生労働省
  https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
・新ストレスマネジメントハンドブック4働く人のためのよりよい睡眠について
 木村理砂,公益社団法人全国労働衛生団体連合会
・NHK解説アーカイブス「睡眠負債に気をつけよう」(視点・論点)
 https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/272804.html
                           以 上