健保からのお知らせ

2020/6/1

(健康づくりWEBかわら版2020年6月号)「身体活動」について

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2020年6月号より
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     「身体不活動」もパンデミック?!
         
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新型コロナウイルスよりも前から、世界的な大流行(パンデミッ
ク)の状態にあると警鐘を鳴らされていることがあります。
それは「身体不活動」です。近代化により便利な生活になったこ
とから生じた「身体不活動」。この「身体不活動」の状態は、世
界中の死亡原因となっており、それも喫煙や肥満に匹敵すると考
えられています。
この世界に蔓延している身体不活動を減らすため、WHO(世界保健
機関)は2018年に『身体活動に関する世界行動計画2018-2030』
とその実践を支援するためのツール『ACTIVE:身体活動を高める
ためのテクニカルガイド』を発表しています。
そこで今回は『身体活動』に関するお話です。

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★ そもそも身体活動ってなんだろう? ★
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私たち人間の総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく3つ
に分かれます。
1.基礎代謝量(約60%)
   人が生きていくために最低限必要なエネルギー消費量。
2.食事誘発性熱産生(約10%)
   食事をとることで増えるエネルギー消費量。
3.身体活動量(約30%)
   身体を動かすことによって消費されるエネルギー量。

1と2は個人内での変動があまり大きくないため、総エネルギー
消費量が多いか少ないかは、3の身体活動量によって決まります。

【身体活動とは】
①運動
速歩やウォーキング・ジョギング・体操・ダンス・水泳・テニス
など、スポーツや健康維持・ダイエットなど目的を持って行われ
る身体活動のこと。

②非運動性熱産生
  (NEAT:non-exercise activity thermogenesis)
仕事や洗濯・掃除・料理・買い物・ゴミ出しなどの家事、子供と
遊ぶ・子供の世話、通勤や子供の送迎、移動時の歩行や階段利用
など、日常生活の中で行う運動以外のエネルギー消費量のこと。

肥満者は非肥満者よりも座っている時間が長く、立っている時間
が短かったとする報告や、「座り過ぎ(座位行動)」は総死亡リ
スクを高めるということも研究で分かっています。
さらには、座っている時間を②NEATの時間に置き換えることによ
り総死亡リスクを下げる可能性が示めされています。
なお、エネルギー消費量で考えたとき、安静にしている場合を1
とすると、立っている場合は1.2倍、歩けば3倍になります!

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★ 日本での身体活動UPの取り組み ★
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日本でも3人に1人は身体不活動であると言われています。また、
2007年には身体活動不足によって年間52,500人もの方が亡くなっ
ているという研究結果も報告されています。
そこで、厚生労働省では、「健康づくりのための身体活動基準20
13」を平成24年に策定し、具体的な方法を示した「健康づくりの
ための身体活動指針(アクティブガイド)」をガイドラインとし
て示しています。。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpr1.pdf

その中では、一人ひとりが毎日プラス10分(歩数で約1000歩)身体
活動量を増やすことを促しています。
例えば、体重70kgの高血圧の男性が早歩きを10分間した場合、35
kcal余分にエネルギーを消費します。1年365日で12,775kcal消費
することとなり、脂肪を1年で1.9kg減らす効果があります。加え
て、2~3か月で血圧を1.5mmHg減らす効果も期待できるとされ
ています。
さらに、厚生労働省の研究では、毎日10分身体活動を増やすこと
で死亡・生活習慣病等発症・がん発症、ロコモや認知症発症のリ
スクをそれぞれ2.8%、3.6%、3.2%、8.8%減らせることが分か
っています。

※「健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイド」
のfacebookも開設されていますので、気になる方はチェックして
みてくださいね。

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★ こんなところにも!探してみよう健康チャンス! ★
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【お家で・・・】
・早起きは三文以上の得?!10分早起きで体操時間。
・皿洗い、キッチンからお腹を離そう。
・リモコンとソーシャルディスタンスを取ってみよう。
・家事こそ最大のチャンス、掃除は立派な運動だ。
・湯船や湯上りにストレッチで気持ち良く。
・ソファーでテレビ、太ももの上げ下げチャンス。
・歯磨き時間、かかとの上げ下げでロコモ予防。

【オフィスでも・・・】
・NOエレベーター、YES階段!
・トイレ・歯磨き、違う階に行ってみよう。
・昼食時の外食や買い物、たまにはちょっと離れた違うお店を。
・昼休憩、気分転換にウォーキング。
・時間があれば、内線ではなく、直接伝えて職場交流。

【移動の時間も・・・】
・電車バス、座らず立てばエクササイズ!
・靴選びひとつで代謝UP。
・NOエスカレーター、YES階段!
・新しい発見も!一駅手前からウォーキング散策。
・好きな曲、3曲聞きながら歩いてみよう!
・信号待ちもかかとの上げ下げチャンス!

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★ 最後に・・・ ★
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「体を動かすことは健康に良い」ということは、誰しもが分かっ
ているはずなのに、世界的に見ても体を動かさない人が多いとい
うことが健康課題として浮き彫りになっています。

体を動かす=運動だけでは決してありません。
運動する時間がない、運動にチャレンジするのはハードルが高い。
そういう場合には、ぜひNEATの時間を増やすことから始めてみま
せんか?
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自宅で過ごす時間が増えた
という方も多いかもしれません。お風呂掃除も窓ふきも歯磨きの
時間であっても身体活動のチャンスです!この機会に身体活動チ
ャンスを探してみましょう。

※今回の記事は以下を参考にいたしました。
・公益財団法人健康・体力づくり事業財団 「健康づくり」2019.8 No.496 p.2-7
・公益財団法人健康・体力づくり事業財団 「健康づくり」2019.4 No.492 p.24
厚生労働省 e-ヘルスネット 身体活動とエネルギー代謝
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html
厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/
                             以 上