健保からのお知らせ

2020/12/2

(健康づくりWEBかわら版2020年12月号)『在宅ワークの腰痛予防・対策』

(転載)日本予防医学協会
    健康づくりWEBかわら版 2020年12月号より
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No more 腰痛!~在宅ワーク時、ココに注意!~

 

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 皆さん、腰痛になったことがありますか?

厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)を見てみると、病気や
けが等の自覚症状の中で、腰痛は男性1位、女性2位と非常に多
くの方が腰痛を訴えていることがわかります。
弊会の健康診断の問診においても例年約2割程度の方が「腰が痛
む」と回答しています。

現在、新型コロナウイルス感染症拡大によって在宅ワークを余儀
なくされた方が少なからずいらっしゃると思います。
また、慣れない環境下で仕事をすることで腰が痛くなったと耳に
することもあります。

そこで今回は『在宅ワークの腰痛予防・対策』に関するお話です。

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★ 腰の不快感を発生させる要因 ★
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「腰が痛い」、「ズーンとする」、「重だるい」などといった腰
の不快感は心身の様々な要因が複合的に関与して発生するとされ
ており、特に、皆さんのカラダの状態へ影響を与える大きな要因
として、仕事をしている間の姿勢(仕事姿勢)や作業する環境
(作業条件)が関与しています。
今回は、仕事姿勢がカラダに与える影響とカラダにかかる負担を
軽くする対策を中心にお伝えします。

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★ 仕事姿勢と作業条件がカラダへ与える影響 ★
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一般的に猫背姿勢は腰の不快感や痛みと関係があります。
例えば、猫背姿勢でパソコン作業等を長時間続けることは、腰の
不快感や痛みが増強する要因の一つであると考えられます。

では、どのような場合に猫背になりやすいと思いますか?

机の高さや椅子の高さとあなたの体格がうまくマッチしていない
時に猫背になりやすく腰の負担を増加させます。
つまり、机や椅子などの作業するための条件が整っていないと猫
背になりやすく腰の痛みを起こしやすいと言い換えることができ
ます。
在宅ワークをなさっている方の中には、背もたれ付きの座椅子な
どを使用せず、直接床に座ってコタツ机で仕事をした(あるいは
している)方もいらっしゃるかもしれませんね。

また、背もたれのない椅子や床に座り続けて腰のあたりがきつく
なった経験がありませんか?

猫背だけではなく、背もたれのない椅子や直接床に座った姿勢が
長時間続くことで腰部に負担がかかり腰の不快感や痛みを生みま
す。意外かもしれませんが、背もたれを使用しない座り姿勢で腰
にかかる負担は立ち姿勢の約1.4倍だといわれています。
普段、多くの皆さんは職場でパソコンに向かうとき、無意識のう
ちに椅子の背もたれによりかかったり、お尻を動かしたり、座り
直したりといった行動をとっています。

こういった行動によって、長時間同じ姿勢が続くのを避けて腰へ
の負担を軽くしていると考えられています。
また、理想的な座り作業姿勢は背もたれのある椅子を使用し、足
の裏全面が床に着いた状態で、肘の曲げ角度が90度位で作業する
のが良いとされています。

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★ 今日からできるカンタンな腰痛予防対策 ★
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在宅ワークであっても一般的な職場にあるような高さ調節機能付
きの椅子や作業机を使える環境であれば問題はありませんが、椅
子の高さ調整ができない、あるいは床に座って作業をせざるを得
ないといった場合には、腰の負担軽くするために次のような工夫
をしてみてはいかがでしょうか。

●座り姿勢10分+立ち姿勢5分といった具合に、座り姿勢と立ち
姿勢での作業を交互に繰り返すことで腰の負担を軽減させる可能
性があります。

●立ち上がって少し歩く程度の短い時間でできる簡単な動作をこ
まめにとること(アクティブレスト)も重要です。

ちなみに、在宅ワークでなく職場でパソコン作業をされている方
もこまめな休憩は心掛けてください。
厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイ
ドライン」によると1時間以内に1、2回の小休止を入れること
が推奨されています。

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★ その他 カラダの状態へ影響を与える要因 ★
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在宅ワークと直接関係はありませんが、以下のような要因がある
場合に腰の痛みを発生しやすくなるといわれています。
お心あたりがある方は要注意!

●仕事の内容
重たいものを取り扱う作業や中腰で行うライン作業、主に清掃業
務を行う方、トラックの運転手の方、タクシーやバスの運転手の
方などは腰痛を起こしやすいとされています。

●運動習慣と体力
腰の痛みについては、しばしば腹筋や背筋が弱いから起こるとい
うように筋力の強い弱いで例えられることあります。
実際に腰の痛みを予防するためには、筋力だけではなく普段から
の運動習慣の有無(週2回30分以上の運動習慣を1年以上継続し
ている)や1時間連続して歩行できる体力などが重要であること
とされています。

●その他の生活習慣等
一般的に男性より女性の方が腰痛を起こしやすいといわれていま
す。
また、年齢が高くなると関節に変化が起こりやすくなるため、腰
の痛みを起こしやすくなったり、腰の痛みが慢性化しやすくなっ
たりします。
喫煙や肥満も腰の痛みと関係があるという報告もあります。

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★ おわりに ★
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腰痛予防・対策の最初の一歩として仕事姿勢と作業条件を中心に
ポイントをいくつかお伝えしました。
「ついつい2時間くらい座りっぱなし」といった方は腰の痛みだ
けでなく心疾患や糖尿病のリスクも高くなるといわれています。
是非、普段の姿勢や作業する時間も含めて見直してみてはいかが
でしょうか。
                        以上